高温多湿の夏がやってきました。ネイルの材料管理や施術などは温度や湿度の影響を非常に受けやすいのです。
このような環境下では雑菌が繁殖しやすくなったり、施術でもトラブルを起こしやすいです。冬場と同じように施術をしている、なんてことはありませんか?
このような時期だからこそサロンワークも普段以上に気を付ける必要があります。
湿気時期だからこそ注意したいポイントをお伝えします!
目次
タオル類は湿気や雑菌の温床?!
アームレストやテーブルにひくタオル、フットソファのひざかけやバスマット等の布類は湿気がこもりやすく雑菌が繁殖しやすいです。
サロンによっては営業後、店内に洗濯したタオルを干す場合もありますが、直射日光にあてられない場合はお洗濯洗剤を除菌効果の高いものを使用するなどして雑菌繁殖を防ぎニオイのもとを断ちましょう。
わすれがちなのがフット席のソファの背もたれ。夏は汗をかきやすいので枕元にお客様の汗や皮脂がつきやすいのです。ソファは丸ごとお洗濯はできないのでついそのままになってしまいがちです。
施術が終わりタオルを取り換えるついでに背もたれを拭き、除菌スプレーなどを噴きかけ前のお客様の汗や皮脂などをキレイにしましょう。この時期だけでも、汗拭きシートなどのアメニティがあると喜ばれますよ。
持ちがいいジェルでも、この時期は油断禁物!
夏は冬に比べ新陳代謝が活発になるため爪や髪が伸びるペースが速くなります。
「こないだネイルをしてもらったけどもう隙間があいている、施術が下手だったのかしら?」と誤解されることがあるのですが、体の季節変化であることをお客様にしっかりと説明し、いつもより短めの長さにさせて頂くようご提案をしましょう。
また高温多湿で汗をかいたり湿気にさらされている時間が長くなるためジェルがリフトしやすくなり、グリーンネイル(緑膿菌感染)になりやすくなります。
通常一か月以上ジェルが長持ちする方でも夏場だけは少し早めのメンテナンスをおススメするようにしましょう。
ワンカラーのデザインにしていると爪そのものが隠れてしまうため色調異常などの異変に気付きづらくなります。
この時期は、クリアベースにグラデーションやフレンチなど、爪の異変をお客様が見て気づきやすいデザインをご提案し「もし色調異常などがありましたらすぐにサロンにご連絡下さい」とお客様に万が一を想定してカウンセリングアドバイスをすることが大切です。
スカルプチュアの施術
ジェルと同様にアクリルスカルプチュアも高温多湿時期は注意が必要です。
海やプールなど水に濡れることが多いお客様だと爪がふやけやすくなり、それだけスカルプチュアもリフトしやすくなります。
リフトしてしまうとジェルネイルと同じくグリーンネイルを発症しやすくなります。
夏時期にスカルプチュアをされたいお客様には、イベントや生活スタイルなどをよく伺い、なるべく負担がないように少し短めの長さをご提案しましょう。
また、技術者がわにとっても、高温多湿の環境というものは施術が難しくなります。
湿気でミクスチュアが上手に取れなかったり、気温が高くてスカルプが早く硬化してしまいピンチが間に合わなかったりということがあります。
いつも同じように施術をするのではなく、その日の気候には常に敏感になり、それに合わせて施術を変えていく、ということがプロとして必要になってきます。
紫外線による「色あせ」にご注意!
日差しが強いこの季節、お肌や髪の毛と同様に爪も紫外線の影響を受けます。
「こないだピンクを塗ってもらったのに、ベージュっぽく変色してるかも?」ということがあるのです。
これは「褪色」と言って、紫外線や日数による変化で顔料が変質したり色があせてしまう状態です。とくに、淡いピンクなどはより褪色がおこりやすく海などに数回行っただけでほとんど白のようになってしまうこともあります。
特にフットネイルなどは手ほど入念に紫外線対策ができないのでなおさら変色が起こりやすいです。この時期に淡いカラーを選ばれるお客様には、アウトドアイベントのご予定の頻度などをお伺いし、状況によってはワントーン濃いめの色をお選びいただきましょう。
エアコンなど急激な温度変化に注意
サロンの営業中はエアコンをつけているので涼しいですが、閉店後にはエアコンをオフ、翌日またオン、というようにサロン内はオンとオフで急激な温度変化が起きています。
朝イチのお客様など、さっきまで暑かった室内が急に冷えた状態で施術をした場合、ポリッシュ類などに曇りや表面の一部分が黒ずんだりする事があります。
これはメーカーや成分にもよりますが、室温で温まっていたポリッシュがクーラーの冷気で急激に冷やされた状態で施術をする際に起こる現象です。
その他に、グルーやレジンなどが塗布した際に白っぽく変色したりします。これも急激な温度や湿度変化により起こるもので、白化現象と呼ばれたりしています。
ネイル用品は大半が揮発性溶剤類のため、温度や湿度変化に非常にデリケートです。
温度の上下が激しい窓際などでの保管は避け、極力一定に保てる場所に陳列しましょう。とくにグルーなどは固まると使えなくなってしまうので、冷蔵庫に保管することをおすすめします。
同じ施術は二つとない!
毎回同じような施術を続けていて、数か月後・数年後に果たしてそのお客様の爪は今より良くなっているでしょうか?あなたの顧客で居続けてくれますか?
お客様は十人十色ですし気温や湿度、時間帯など毎回同じ環境ということはありません。
その時期の気候、お店の気温や湿度、お客様の体温や皮膚の状態、年齢の変化・・。
あらゆることを考慮したうえで、そのお客様にとってもっとも安全でダメージが少なく持ちが良い方法を模索することが、我々ネイリストにとっての使命でなのです。