ネイリストは接客業です。技術以外に人間的魅力に惚れ込んでご来店されるお客様も多くいらっしゃいます。あなたが素敵なネイリストだったのなら常連のお客様と仲良くなったり、指名されるのはごく自然なことです。
しかしそれは、あくまでも「お客様」と「従業員」という関係だから成立すること。もしお客様から「電話番号を教えて」「今度一緒に飲みにいきませんか?」などと聞かれたら、あなたはお客様にどのように対応しますか?
もし勤務サロンとの労使関係や自分自身のプライベートが崩れてしまうようなことがあったら?
今回は、「お客様と仲良くなるということ」について、メリットやデメリット、正々堂々と仲良くなれる方法など、キャリア17年ネイルサロン経営&ネイルスクール講師が解説します。
目次
経験の浅いネイリストほど悩む「お客様と仲良くなる」問題
ひとくちに「お客様と仲良くなる」といっても、雇われネイリストと独立開業している人とで変わってきます。独立開業されている方は自分の裁量でお客様と自由にお付き合いをすることが可能です。
しかし雇われネイリストの場合、たとえ自分の指名客で会ったとしても「お客様」=「サロンのお客様」です。
「もっと仲良くなりたいけれど、お店のお客様とプライベートで会ったりしていいのかな?」まるでキャバ嬢のようなお悩みですが、接客経験が浅いネイリストほど、どう対処してよいのかわからずストレスを抱えていることが多いのです。
お客様から感じる「好き好きオーラ」
接客していて、「この人、私に興味を持ってくれているな、仲良くなりたそうだな」と感じる瞬間を挙げてみました。
・指名が数年にわたり続いたとき
・マニアックな話で盛り上がったとき
・アートなどその人の個性が色濃くでる技術を気に入ってくれたとき
これらはネイリストに限らず一般的な対人コミュニケーションにも同じことがいえます。
このようなお客様からの好き好きオーラを感じた時、あなたが仲良くなりたいか、それとも一線を引きたいかによってその後の対応は変わってきます。
お客様との距離を縮めるor遠ざけるのはあなた次第
前項のお客様からの好き好きオーラを感じた時、あなたがもっと仲良くなりたい、指名して欲しいと思ったら以下の行動に移しましょう!
・名刺をわたす、自分の出勤日を伝える
・次回予約をその場で指名で入れる
・次回来店されたら前回の接客で話した内容をふり「覚えてるよ」アピール。
最低限これらを行えば、お客様との距離はぐっと縮まり、「じゃぁ、連絡先交換しましょうか」と伝えやすくなります。
正々堂々と連絡先を聞く方法
インスタ
電話番号はれっきとした個人情報なので、聞く方も聞かれる方もハードルが高いです。しかしインスタやフェイスブックなどのSNSは基本的に誰でも見ることが可能ですし、電話やメールのような機能もあります。
今やネイルサロンでも在籍しているネイリストの個人アカウントを公開している時代です。「私のネイルデザインをインスタにあげているのでよかったらフォローして下さいね!」と言って見ましょう。
そこからダイレクトメールなどでラインや電話番号交換がしやすくなります。もしサロンに何か言われたとしても、サロンの販促目的でインスタを教えているのでカドが立ちません。
フェイスブックで友達申請
仲良くなりたいけどサロンでインスタはやってないし、という方にはフェイスブックがおススメ。お客様に「フェイスブックはやってますか」と聞いて、あとで名前を検索し友達申請を送れば良いのです。
私がネイリストになった17年前は、上司の目をかいくぐりお客様からプライベートで電話番号を聞き出すのに一苦労という時代でした。現代においてはSNSが発達しているのでお客様と仲良くなりやすい時代になったなぁとつくづく感じます。
プライベートで仲良くなるメリット
お客様と連絡先を交換するなど、プライベートで仲良くなるメリットは以下の通りです。
指名につながりやすい、再来しやすい
サロンによってはお給料が歩合給です。仲良くなって自分のお客様になれば指名客をキープすることができますし、こういったお客様を何人もキープすることで毎月の売り上げが安定します。
独立開業したとき、見込顧客になりやすい
あなたがいつか独立開業を考えているのなら、絶対に仲良くなっておいた方がいいです。開業したときゼロからのスタートはリスクが高いですが、ある程度お客様をつけておけばスタート時からの利益が見込めるでしょう。
あらたな知り合いが出来ることで自分の世界がひろがる
社会人になると異業種の友人を作るのは難しくなります。しかし、お客様と仲良くなることで新たな発見ができ自分の視野が広がりネイリストとしても成長する機会が増えるでしょう。
プライベートで仲良くなるデメリット
お客様とプライベートで仲良くなることはいい事ばかりではなく、デメリットもあります。
公私混同になりやすい
予約連絡がサロンではなく自分のスマホに直に来たり、仲良くなったのだから営業時間外に施術をしてほしい・料金を安くしてほしい等、お客様からの無理難題に振り回される可能性もあります。
就業規則違反のおそれ
先述したとおり、「お客様=そのサロンのお客様」です。
万が一、対人トラブルがあったときに会社のリスク回避のため就業規則でお客様と個人的なつながりをもつことを禁止しているサロンもあります。
これは男性も勤務する美容室などでは多いケースですね。
身バレやストーカーなどのおそれ
ネイルサロンのお客様はほとんどが女性です。同性からストーカーなんてあるの?と思ってしまいますよね。
私の知っているケースですと、来店時に毎回親身に相談に乗っていたら、そのネイリストさんを過剰に信頼しすぎて仕事上がりに待ち伏せをされ自宅までついてこられたという話もあるくらいです。
その他、自分のSNSの投稿などから交友関係などがわかってしまう場合もあります。
さいごに
私自身が雇われネイリスト時代は、会社には内緒で連絡交換をし、飲みに行ったり旅行にいったりもしました。結婚式に招待されたこともあります。現在ご来店されていない方もいらっしゃいますが、「人生の友人」としてつながっています。
お客様とプライベートで仲良くなる際に心に留めておいて欲しいのは
「利害関係の垣根を取り払い、人生の友人としてお付き合いをするつもりで連絡先を交換するべし。」です。
指名を取りたいから、売り上げをあげたいからと、やみくもに連絡先交換をすると、お客様に振り回され自分自身が疲弊して行きます。
「自分自身の友人とやっていることを、そのお客様と同じようなことが出来るか」
これを頭の片隅において、お客様と連絡先交換をしてください!!