毎年ひどい花粉症に悩まされる人は多いはず。薬はもちろん、花粉症を軽減するという食べ物を積極的に食べている人もいるでしょう。
ポリフェノールは健康にいいと言われ、年代を問わず食事に取り入れている方もいますが、これが花粉症にも効果を発揮するんだとか。ポリフェノールの効果や花粉症との関係、ポリフェノールを含む食べ物についてご紹介します。
ポリフェノールの効果
ポリフェノールとは
テレビや雑誌などでよく耳にする「ポリフェノール」。健康にいいというのは何となく知っていますが、どのようなものなのでしょうか。ポリフェノールとは、植物が持っている抗酸化物質のことで、ビタミンの一種になります。
目にいいと言われるアントシアニンや、お茶に含まれるカテキンなどもポリフェノールの仲間です。そもそもポリフェノールは植物が身を守るための成分であるため、苦味や渋みをともなっているのも特徴のひとつ。
また、抗酸化作用を持つビタミンは多くありますが、なかでもポリフェノールはとても強い抗酸化作用を持っていることから、たびたび注目を集めるわけですね。
ポリフェノールにはカカオポリフェノールやコーヒーポリフェノールなど種類が8千以上もあり、その効果もそれぞれ違います。摂取すると短時間のうちにその効果を発揮しますが、長く持続するものではないので、食事や飲み物から小まめに摂ることが必要とされます。
抗酸化とは
私たちの身体は酸素が無ければ生きていけません。酸素を取り入れることで体内には常に活性酸素というものが生まれていて、これは加齢とともに増えていきます。
さらにはタバコやお酒の飲みすぎ、ストレス、紫外線、食品の添加物などによっても増加。活性酸素は、文字の響きとしては健康に良さそうなイメージですが、実はこれが身体を酸化させ、細胞に傷をつけてシワやしみなど皮膚の老化をはじめ様々な病気を引き起こすのです。
黙っていても増え続ける、この厄介な活性酸素から身体を守ってくれるのが、ポリフェノールなどに含まれる抗酸化物質。
人間の体内はもともと抗酸化のはたらきを持っているのですが、これは活性酸素と逆に加齢によってどんどん減ってしまうため、食べ物や飲み物から摂取する必要があるのです。
どれくらいの摂取量が必要?
ではポリフェノールは1日にどのくらい摂取すればいいのでしょう。抗酸化作用を期待するのなら、1日に1000ミリグラム程度を摂らなければならないのだとか。
こんな数字で言われても、何をどう摂れば1000ミリグラムになるのか、分かりませんよね。食品から全てを摂ろうとすると食べる量も増えてしまうので、多くはお茶やコーヒーなどの飲み物から摂ると考えるのがいいでしょう。
先ほども書いたように、ポリフェノールには種類があるので、これだけ摂れば!というものではありませんが、緑茶で10杯くらい、コーヒーで5杯程度飲めば1日に必要な量を摂取できると言われています。
ただし、どの栄養素にも言えますが、単体では効果を最大限に発揮できません。バランスのよい食事と一緒に摂取することが大切です。
花粉症の緩和にポリフェノールが効果的?
炎症を抑えるはたらきが花粉症を緩和
花粉症はそもそも、花粉(異物)に対してアレルギー反応を起こし、それを排出しようと鼻水や涙、くしゃみが過剰に出る状態を言います。
また、疲れやストレスなどで免疫力が低下していると風邪を引きやすいように、花粉に対する反応を大きくしてしまい、花粉症を発症するといった場合もあります。
そんな花粉症になぜポリフェノールが効くのでしょうか。ポリフェノールの中にはアレルギー反応による炎症を抑えたり、免疫機能を正常にしてくれるものがあり、これらが花粉症の症状を軽減すると言われています。
また、抗酸化作用によって起こってしまった炎症を素早く回復させるはたらきもあることから、花粉症に効果があると言われるようですね。
効果的とはいえ薬ではない
ポリフェノールが花粉症に効果的とはいえ、すぐに効果が出て花粉症がピタリと治まるようなものではありませんから、過剰な期待は禁物です。
現在は薬に頼らない治療などもあるようですが、あまりにつらい症状であればまずは病院へ行くことも大切です。
ポリフェノールの摂取はあくまで「花粉に負けない身体づくりのサポート」ですから、花粉の季節に一時的に摂取するというよりは1年を通してポリフェノールを摂取し、花粉に負けない身体をつくっていくイメージを持ちましょう。
ポリフェノールを含む食べ物
花粉症対策におすすめの食べ物
花粉症対策としてポリフェノールを摂取するのなら、免疫機能の改善や抗炎症、抗アレルギーなどの作用がある食べ物がおすすめ。
これらの作用を持っているのが、お茶・紅茶・レンコン・りんご・バナナ・赤ワイン・ブルーベリー・セロリ・ピーマン・シソ・ローズマリーなど。普段の生活に積極的に取り入れましょう。
ポリフェノールはここに紹介する以外の野菜にも含まれています。自分は花粉症だからこれだけ!と決め付けずに、バランスよく色々なものを食べることが大切です。
日常に取り入れやすいのはこれ
仕事が不規則で食事がおろそかになってしまうという人にも、取り入れやすいポリフェノールがあります。例えば、コーヒーやチョコレートにはクロロゲン酸やカカオポリフェノールが含まれています。
朝はコーヒーを飲む、休憩にチョコレートを食べるという行為でもポリフェノール自体は摂取できるんですね。食後にお茶を飲むというのもいいでしょう。
花粉症に効果のあるポリフェノールじゃなくても、抗酸化作用はありますから積極的に取り入れてみてください。ただし、きちんと食べられるときには野菜や果物からもポリフェノールを摂取するように心がけましょう。
まとめ
花粉症に効果があると期待される、ポリフェノールについて紹介しました。ポリフェノールと言っても様々な種類があり、それぞれにはたらきがあるのですね。
とはいえポリフェノールが花粉症をピタッと止めてくれるわけではありません。花粉症に負けない身体をつくるための栄養だということを忘れず、日常の食生活に取り入れていくといいでしょう。