才能を生かし、華やかに見えるネイリストの世界。好きなことを仕事にできて、羨ましく思えます。でも実際のところは、どうなのでしょうか。
そこで、現役で活躍中の皆さんに、ネイリストになるために努力したことや、仕事上の悩みなどいくつかの気になる項目のアンケートを実施。そこで見えてくる裏事情や本音を深堀りしていこうと思います。
目次
「ネイリストになって一番大変なことはなんですか?」一位は…?
アンケートをとるにあたり、まず最初にその実態をさぐるべく、ネイリストたちが日ごろ、どのようなことについて悩んでいて、改善したいと思っているのか、こちらから大まかな選択肢を提示し、チェックを入れていただきました。
選択肢
1.身体的な問題(肩こり、腰痛、目の疲れetc…)
2.デザイン・技術などスキルについて
3.接客
4.人間関係
5.給与
この5つの項目の中で、最も多かったのは「1.身体的な問題」。肩こりや腱鞘炎、アレルギーなどに悩まされていると回答した方が、全体の半数を占めたのです。※()内はネイリスト歴・役職
・気持ち悪い日々が続き、病院に行ったが原因不明。なんとなく接骨院に行ったら「気持ち悪くならないですか?」の一言。原因は肩こりだった。(5年以上・店長)
・スカルプチュアのダストアレルギーになってしまった。(1年以上3年未満)
・慢性的な肩こり、腰痛、腱鞘炎で整骨医院やマッサージは欠かせない。(3年以上5年未満)
・ずっと下を向いたままの姿勢なので首がつらい。体が資本の仕事なので、体のメンテナンスも仕事のうちだと思う。(5年以上)
「身体的な問題」を解消するために、マッサージや接骨院に定期的に通っている方は、少なくないようです。また、目のかすみや視力の低下など、目の疲れを訴える回答も複数ありました。実は、当初まったく違う項目を予想していた編集部としては意外な結果だったのですが、パッと見る印象以上に、皆さん身体を酷使していらっしゃるということなんですね。
身体的な問題に悩むネイリストに読んでもらいたい記事
・ネイリスト必見!「3秒これだけ体操」が腰痛持ちの間で本当におススメだと話題!
・【必読】明日から即実践できる!ネイリストの職業病「腰痛」対策マニュアル
椅子に座っている時間が長いこと、下を向いたままの姿勢でいること、集中力のいる仕事であることから、「肩こり」に悩まされているという声は非常に多く見られました。オフの日はマッサージに行くなどの、自身の身体へのメンテナンスが大切ということです。
身体のお悩みについては、アンケートをもとに皆さまの声をなるべく反映し、自分でできる対処法やおススメのお店など有益な情報も都度更新していきますね。
「接客のお悩み」は永遠の課題とも言えそうです。
次に多かったのは、「接客」に関する悩みで、33%の方が挙げていました。比較的経験の浅いネイリストは、「施術中は会話するほどの余裕がない」ことを悩んでいるのに対して、ベテランスタッフは、「一人ひとりに合ったコミュニケーションの難しさ」を指摘する傾向がありました。
・お客様にはいろいろなタイプがいらっしゃいますのでその都度難しいと思います。年齢に合わせた話題など。(5年以上)
・手と口を同時に動かし、尚且つ丁寧に仕上げ、時間内に終わらせなくてはいけないため。お客様が話したり、笑ったりすると、手が動いて上手く塗れない時がある。(1年未満)
・お客様との性格だったり好みの相性があるのと、接客に正解ってないので、難しいと思いました。(5年以上・副店長)
まさに、「接客に正解はない」からこそ、悩みもつきず、課題にもなりますよね。ネイルは1対1の対人業務ですし、確かにコミュニケーション能力の重要性も指摘されていまが、施術の完成度を上げるだけではなく、お客さんに合った話題の選び方なども、工夫が必要という声がありました。そんな中、こんなベテランの声も。
・悩みというよりも、やりがいでもあります。こちらは技術だけでなく、そのお客様の時間を預かっているわけなので、ネイルサロンにいる時間にいかに心地よく過ごしていただけるかは個人だけでなく、店舗全体の課題でもあります。(5年以上・店長)
このお店はきっといいお店なんだろうな、と思えます。オーダーにしっかり応えてもらえることはもちろんですが、プラスαの何かを感じられるお店はまた行ってみたいと思えますもんね。経験の年数によって「接客」への考え方も変化があることを感じたアンケート結果でもありました。
待遇面の悩みは、自分自身が置かれている環境を見直すことで解決するかも?
もちろん、「5.給与」を一番の悩みとしてあげる声もありました。意外にも、直近の給与への不満というよりは、『長い目でネイリスト人生をみたとき、労働時間数や労働時間帯を考えると将来的に不安がある』という声が多い印象もある回答が印象的でもありました。
・まだまだ修行中の身なので仕方ないけれど、実家でなければきついくらいの給与なのでもう少しもらいたいなぁという気持ちはある(1年以上3年未満)
・長時間労働の割に給与が上がりづらかったり福利厚生に不安がある場合が多い業界なので、将来に対する不安がある。(3年以上5年未満)
この業界でも、かなり女性が働きやすい環境が整った会社も出てきましたが、まだまだ全体を見ると、福利厚生や給与のシステムなどが整っていないサロンが多いのも事実。技術職である限り、スキルによって給与が変動するのは仕方ないのですが、とはいえ、社会人として働くうえで、あまりにもおかしいな、と思うことがあれば、そこは自分の置かれている環境を客観的にしっかり見極め、転職含めて考慮することも必要かもしれませんね。
こんなネイリストになりたい!長年働いている熟練者ならではの声
「ネイリストになって一番大変なこと」を聞いたアンケートでしたが、最前線で施術を5年以上続けているネイリストからは、経験値の多いベテランならではの、決意と展望の声が聞かれました。
・駆け出しの時代は薄給で苦しい時期もありましたが、好きだからこそ続けてこられ、今は十分に稼げるようになりました。大変だったことが糧になっているので、そこを乗り越えてもらいたいです!(5年以上・マネージャー)
客層のニーズに合わせたりトークを考えたりしながらの仕事は、大変でもあるけれど、やりがいでもある、ということですよね。収入面に不満がある」とか、「お客さんとのコミュニケーションがうまく取れない」ということがあっても、あきらめず続けてみること。経験を積んでいくことで、道が開ける可能性があることは間違いありません。ただし、そうなるためにも、腰痛や肩こりを抱えたままでは、質の高いパフォーマンスを提供できない。自身の身体のメンテも仕事のうちと考え、身体をしっかり見直して、健康に気を付けることも忘れずに!