ネイルサロンでネイルをやってもらったり、趣味でセルフネイルをしているうちに、ネイリストという仕事に興味を持つ方は多いです。
しかし、外側から見た世界と実際に仕事として働いていくのでは、理想と現実のギャップがあります。キャリア17年ネイルサロン経営＆ネイルスクール講師が、ネイリストの仕事に就いて解説します。
世間のイメージと実際は？
ひとくちに「ネイリスト」といっても、ネイルを知らない世間一般の人が抱くイメージと、実際に働いている人とはかけ離れている場合があります。
見た目や給与面など、世間とのギャップを探ってみましょう。
ネイリスト＝茶髪に巻髪はもう古い？
日本にネイルサロンが普及してから20年以上になります。20年近く前はサロンの数も少なく、ラグジュアリーなお店作りをしているサロンが多かったので茶髪に巻髪でロングスカルプをしているようなイメージを持たれることが多かったようです。
現在はネイルサロンの営業形態も、高級志向から低価格サロンへと移行しているため、昔よりはカジュアルな服装で勤務しているネイリストも増えてきました。
しかし、ネイル＝ネイルアートを連想しやすいせいか、まだまだネイルサロンに馴染みのない一般の人にとっては「長い爪にギラギラとアートを施している、派手な女性」という印象は強いようです。
キラキラに見えて、意外と体育会系？
ネイル業界で働いたことがない人にとっては、女性相手で細かい作業をしている仕事なので、職場環境も優雅でキラキラとした環境で働いているように思われがちです。
しかし、ネイリストは技術職。親方と弟子とまでは行きませんが、上下関係がはっきりしており体育会系要素が強い業界です。
肉体面でも、一見すると座り仕事で楽そうなのですが、ジェルを落としたり爪を削ったりと体力が必要ですし、目の疲れや腰痛などの職業病が多いです。肉体的にも精神的にもタフさが要求される仕事と言えるでしょう。
そのせいか、ここぞというときに踏ん張りがきいたり精神的にも自立している女性が多いのもネイリストの特徴。若くして独立しているネイリストが多いのも納得ですね！
気になるお給料面は？
美容師、ネイリスト、アイリストなど、美容業界はどうしても派手なイメージがあるため、「けっこう稼いでいるのでは？」、「派手好きな金遣いの荒い人が多いのでは？」という誤解もあるようです。
一般的な雇われネイリストの場合、お給料が手取りで18万～20万前半が多いようです。店長などの役職についていればここに手当てが加算されます。
固定給＋歩合給の給与制度をとっているサロンなら、自分の売り上げや指名数が多ければ多いほど収入を上げることが出来ます。
雇われではなく独立開業をした場合、売り上げ-経費＝全て自分の収入にすることができます。商才のあるネイリストなら、月収50万以上稼ぐ人もいます。
お休みはどうなっているの？
正社員やアルバイトなど、雇用形態により異なりますが、月の休みは6日～8日ほど。営業時間の長いサロンなら、早番と遅番のようにシフト制になっています。
基本的にはどこのサロンもご予約が混みあう土日祝日は出勤することがほとんどです。3日働いて1日休みのような飛び休もあれば、5日出勤して2日休みということもあります。
スタッフが複数在籍しているサロンはお休みを順番に回しているため、よほどの事情がないかぎり5連休のようにまとまった日数を取得するのは難しいのが現状です。
独立開業している人は、あえて定休日を設けない代わりに予約がない日は休みにするなど、臨機応変に休日を取っているようです。
勤務時間外の練習があるってホント？
夜遅くに美容室の前を通ると、残って練習をしている光景を見たことはありませんか？ネイリストも同様に、通常の勤務後に技術向上のため練習会を設けているサロンが少なくありません。
一般の会社員の場合、残って仕事をするなら残業がつくはずと思ってしまいますが、ネイルサロンの場合は勤務後の練習はあくまでも自主練習。残業代はつかないことがほとんどです。
サロン側からしたら、本来なら技術向上のために外部のセミナーなどに行けばお金がかかるところを、無償で技術を教えているのだから、という言い分があります。
「仕事で疲れているのにさらに残って練習なんて！」と思う事もあるかもしれませんね。しかし店長クラスの方々に話しを伺うと、新人ネイリストの成長を長い目で見たときに、ここでしっかりと練習を積み重ねたスタッフは伸びるという意見が大多数のようです。
ネイリストの一日の勤務はどんな感じ？
では、一般的なネイルサロンの一日のタイムスケジュールはどのようになっているのでしょうか？
基本的には来店した人の接客が主な業務になりますが、空いている時間に道具の補充やサンプル作成などの雑務があります。
・9時～10時
早番出勤、開店準備、WEB予約チェック、
掃除や当日の予約のカルテ出し、準等。
・12時～14時
遅番出勤、早番のお昼休憩
・18時～19時
早番勤務上がり、残って自主練習等
・20時～21時
サロン閉店作業、売り上げ日報入力、売り上げ入金
ファッションビルに入っているネイルサロンなら営業時間は上記が多いですが、雑居ビル内やマンションの1室の個人店等は営業時間も様々です。
なかには繁華街内のサロンは深夜営業しているサロンもあります。大体の実働時間は8時間～10時間くらいのようです。
まとめ
ここまで、一般的なネイルサロンで雇われているネイリストの勤務スタイルをお伝えいたしました。「なんだか大変そう」「つらそう」と思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、技術や接客スキルが身に付くとどんどんお客様も増えていきます。そうすれば歩合給なども増えキャリアアップすることができます。
この業界は、売上を持っている人に発言権があるのです。
そのためにも、新人ネイリスト時代の地道な頑張りが今後のネイリスト人生を左右するといっても過言ではありません。
ネイリストとして自分の理想の働き方を実現してください！
