ネイリストという仕事は、様々な雇用形態で働けるのも魅力のひとつです。
ネイルサロンに正規雇用される「正社員」から、時間や日数が少ない「アルバイト」、美容室の一部分を借りて売り上げの何パーセントかを収める「業務委託」まで、ネイリストによって働き方は多種多様。
今回はそんな中から、お客様やイベント会場に出向いてネイルアートをする「出張ネイル」という働き方について紹介していきます。
目次
出張ネイリストとは
上でも軽く触れた通り、出張ネイリストとは店舗や自宅など特定の場所ではなく、直接お客様の元に赴いてネイルを施すネイリストのことです。
ネイルサロンで働きながら出張ネイルを行うネイリストもいれば、完全専業の出張ネイリストもいます。
この記事では専業の出張ネイリストにスポットを当てて見ていきます。
出張ネイリストのメリット
開業費用が安い
出張ネイリストの一つ目のメリットとして、初期費用をダントツで低く抑えることができます。
自宅サロンであっても部屋の改修などに最低限の費用はかかりますが、出張ネイリストに必要なものはネイル道具のみ。
どれだけ道具を充実させたとしても、開業費用が50万円を超えることはないでしょう。
自分のペースで働くことができる
こちらは自宅サロンや個人サロンとも通じる部分ですが、自分のペースで仕事を入れることができます。
副業や主婦の片手間で出張ネイルを行うのも難しくありません。
出張ネイリストのデメリット
収入が不安定
出張ネイリストには当然デメリットもあります。
まず収入を安定させることが非常に難しいです。
固定給のあるネイルサロンとは違い、自分で営業活動をしてお客様を掴まなければ収入を得ることができません。
仕事を斡旋してもらえるネイリスト派遣サービスもありますが、こちらも安定的に仕事を貰えるのは、一部の人気ネイリストになります。
場所・時間の制限が大きい
メリットで紹介した「時間が自由」というのと矛盾すると思われたかもしれませんね。
しかし、例えば同じ日に離れた場所で仕事が入れば、その日にこなせる仕事の件数は少なくなってしまいます。
こういった制限はネイルサロン勤務のネイリストよりはるかに大きなものになると言えるでしょう。
出張ネイリストになるには?
資格は必要?
原則的に資格が必要ないのは他のネイリストと同じですね。
しかし、個人のスキルがよりシビアに見られるため、高度な資格を持っているほど有利であることは間違いありません。
1級以上が望ましく、JNA認定講師の資格を持っていれば、イベントなどに呼ばれることも増えるでしょう。
無資格で高い技術を持つネイリストも存在しますが、客観的に判断できる実力の目安として、資格の有無はとても重要になってきます。
ネイルサロン勤務は経験した方が良い
出張ネイリストとして働くには、まずその前にネイルサロンで経験を積んでおいた方が良いでしょう。
ネイリスト養成学校などに通い、資格を取得したあとすぐに出張ネイリストとして働くことも可能ですが、サロンで勤務するのとは違い、すべて自分でお客様が喜ぶサービスを提供しなければなりません。
つまり、サービスについてもトラブルについても、自分でゼロから考え、経験し対応する必要があります。
そう考えると、はじめに様々なお客様に触れて臨機応変に対応できるようにしておけるようにするためには、やはりサロン経験があった方がはるかに良いでしょう。
また、ネイルサロン働く間に固定のお客様を多く掴んでおけば、出張ネイリストとしてスタートダッシュを切ることができるというメリットもあります。
出張ネイリストとしての働き方
完全フリー
ネイルサロン等に属さず、腕一本のフリーで働く方法です。
責任や縛りがなく、予定も好きに組めるという自由さがある反面、仕事は全て自分で取ってこなくてはなりません。
高い技術力と接客力、お客様の心を掴む力があれば出張ネイル一本で生計を立てることもできますが、多くの方は副業や主婦との兼業で行っているのが現実です。
出張ネイリスト派遣サービス
フリー以外には、出張ネイル派遣会社に登録する方法があります。
こちらも安定して仕事が入るわけではありませんが、紹介してもらえる分フリーよりは働きやすいと言えるでしょう。
また、ネイルサロンへのヘルプや、そこから正社員として就職という道が拓けることもあります。
出張ネイリストの働く場所
個人宅への訪問
まずは一般的なお客様の自宅を施術場所とする方法です。
通常、交通費なども費用に含めるため、交通費や場所代などの費用は発生しませんが、
施術に費用な道具をなどを持ち運ぶため、訪問先が遠いと苦労するかもしれません。
また、お客様の自宅ということもありますので、施術に適した場所(机や椅子)がないと普段どおりにやりづらいということもありますし、
もちろんお部屋やものを汚したりしてはいけないので、かなり神経をつかいます。
お客様からすると、来てもらえて自分の落ち着くスペースで施術をしてもらえるので、とても楽で好む人も多いです。
シェアサロン・レンタルスペース
次に、サロンの一部を貸してもらったり、全体がシェアサロンとなっている場所を選ぶというものもあります。
ネイリストに限らず、美容師やエステなどの美容関連の方で最近増えている働き方です。独立はしたいけど、費用面の問題などからリスクを抑えて始めたいという方に利用者が多く、時間単位でスペースの貸し出しをおこなっていたり、場所が選べたり、設備や材料がそろっている場合もあり使い勝手が非常に良いのが特徴です。
料金は1時間当たり、1,000~2,000円くらいが平均的で、その他設備費用などもかからず低コストから始められます。
出張ネイリストが向いてる人
バイタリティと計画性のある人
出張ネイリストとして生計を立てられるくらい稼ぐには、バイタリティと計画性の両方が必要になります。
積極的に営業活動を行い、フットワーク軽くどこにでも飛んで行けば、出張ネイリストとして顔を売るチャンスは当然増えます。
また、効率的に稼ぐためには仕事のスケジュール管理能力も必要になります。
前提としてネイリストとしての実力は必要になりますが、上記の2点に自信がある方は出張ネイリスト向きかもしれません。
副業としてネイルをしたい方
安定収入を得るにはかなりの努力が必要になりますが、軽い副業としてなら話は別です。
空いた時間に仕事を入れることができるので、仕事や家事をしながらネイルに携わりたいという方には特におすすめです。
好奇心が旺盛な方
ファッションイベントや結婚式のお仕事を依頼されたり、お客様の家に上がってネイルをしたりと、出張ネイリストのお仕事は毎日環境が変わるので非常に刺激的です。
好奇心旺盛で色々な経験がしたいという方は出張ネイリストにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最後に
ネイリストの中では、出張ネイリストは安定的に収入を得るのが難しい働き方であるといえます。
しかし自分の性格やライフスタイルにマッチしていれば、出張ネイリストにしかない魅力もたくさんあります。
ネイルサロンでは埋められない需要も確かに存在するので、自分に向いていると感じた方は一度ぜひご検討してみてください。
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