あなたはネイルコンテストにチャレンジしたことがありますか?
「コンテストに出る人なんて、一部の上手な人だけでしょ」
「入賞とか興味ないし」
一昔前と違って今のネイリストたちはコンテストに対しての興味がとても薄い方が多いです。実際のところ、ネイルコンテストはどういうもので、出場するとどういうメリットがあるのでしょうか?
知ってると知らないのでは大違い。元コンペティターの現役ネイルスクール講師がネイルコンペの世界をご紹介します。
目次
ネイルコンテストとは?
別名ネイルコンペティション、ネイリストの間では略してコンペと呼ばれます。コンペに出るネイリストを「コンペティター」と言います。
ちなみに、アクリルパウダーの「コンペパウダー」「コンペリキッド」という名称は「ネイルコンテスト向けに作られた商品」ということから、この名前が由来になっているんですよ。
コンペは大きく分けると、会場で技術を競うものと、ネイルチップやフォトコンテストなどあらかじめ制作したものを競うものとがあります。
実際どのように行われるの?
ひとくちにネイルといってもジェルやアクリルなど多数の技術がありますよね。ネイルコンペも多数の競技種目があります。
技術を競うコンペの場合ですと、日本のネイリストにポピュラーなのはフレンチスカルプチュア部門やフレンチネイルケアカラー部門です。
その他にデザインスカルプチュア、エアブラシなどのネイルアート、メンズネイルケア、片手だけのフレンチスカルプチュアや、検定のようなナチュラルスカルプチュア部門もあります。
中にはヘア&メイク&ネイルのトータルコーディネートをするネイティフル部門というとても華やかなものもあります。また「出場条件が入賞者のみ」という非常にレベルの高い「ネイリスト世界選手権」という部門もあります。
技術以外のコンペだと、ネイルチップコンテストの場合は予め指定されたテーマに沿って作品を作り専用のケースに入れて送って参加ができます。
フォトコンテストはテーマに沿った作品をチップやモデルに作成し写真を撮影しデータを送るという参加方法です。
いつ開催されているの?
ネイルコンペは、国内外で多数開催されています。日本国内で開催されている主なものですと、大体夏~秋にかけて開催されます。
アートチップやフォトコンテストなどは主催団体が様々ありますので、通年開催されていることが多いです。海外のコンテストについては後ほどご説明しますね。
当日は何をやるの?
技術を競うコンペの場合、モデルを出場種目分用意し所定の時間内で各部門の技術を行います。終了後審査が行われます。
ネイル業界の著名な先生やその大会の過去の優勝者などです。大規模なコンペの場合、1次審査~3次審査まで行われます。
全ての競技終了後、表彰式が行われます。入賞するとトロフィーや賞状、優勝賞金や記念品がもらえます。大きなトロフィーと一緒に写っている有名ネイリストの写真を雑誌などで見たこともあるのではないでしょうか。
どんな人がどんな目的で出ているの?
コンペに出ている人というと有名な先生を想像しがちですが、全然そんなことはありません。実際どんな人が出場しているのでしょうか?
現役ネイリスト
サロンワークをしているネイリストの中で、さらに技術を向上したい、入賞して有名になりたい、集客をしたいという方が積極的にチャレンジされています。
また、昨年よりJNA認定講師受験資格にコンテスト出場歴が追加されました。今後認定講師受験者の参加が増えそうです。
ネイルスクール講師
スクール講師でコンペにチャレンジしている方も非常に多いです。入賞すると自分のスクールの集客にもつながりますし、コンテストのチャンピオンの先生に憧れて入学を決めるスクール生も少なくありません。
ネイルスクール生
メーカーのスタッフジェルやアクリル商品を扱う各メーカーに所属しているエデュケーターやインストラクターが出場していることも多いです。
所属スタッフが自社の商品を使って出場すれば、入賞したあかつきには良い宣伝になりますものね。
日本の主なコンテスト
今現在、日本国内で開催されている主なネイルコンペです。
6月~ 全日本ネイリスト選手権地区大会 (全国各地)
日本ネイリスト協会が主催の11月の全日本ネイリスト選手権の地区大会です。全国各地で開催されるので、出場したいけど遠くてあきらめていた方などは参加がしやすいですね。
この地区大会で優勝すると、なんと11月の本戦の交通費などがモデルさん分ふくめ全て支給されます!
7月 アジアネイルフェスティバル 全日本ネイリスト選手権 (大阪)
10月 東京ビューティーコングレス (東京)東京の伝統ネイルスクール、木下ユミメイクアップ&ネイルアトリエが主催するネイルコンペです。
こちらの大会は参加賞がもらえたり、コンペ終了後にレクチャーが受けられたりと参加者によりそった内容となっています。
11月 ネイルエキスポ 全日本ネイリスト選手権 (東京)
ネイリスト協会主催の日本で一番有名なネイルコンペです。出場者も大変多く全国各地からネイリストが集まり腕をふるいます。
プロ部門の総合優勝者はグランドチャンピオンと呼ばれ、多方面で活躍するチャンスが広がります。
海外のネイルコンペ事情
ネイルはもともと海外発祥の文化です。日本よりも海外のほうがコンペも沢山開催されていますし、競技内容も多数あります。
主な開催国ですと、ネイルの発祥アメリカ、オーストラリア、ロンドン、ドイツ、イタリア、マレーシア、最近ですと日本のネイルブームの影響を受け、韓国でも開催されています。
日本から海外のコンペに出場される方も多くいらっしゃいます。
すでに日本で多数入賞されている有名な先生がより上を目指して参加される場合もありますし、有名でなくても海外の大会を実際に肌で感じて学ぶことが目的で参加されている方もいます。
当然、渡航費用が自分のぶんとモデルさんのぶんとかかります。また大会によっては競技要項が全て外国語だったりするので日本よりかなりハードルが高いといえそうです。
しかし、今はSNSが発達しているので、海外コンペに積極的に出場されているネイリストは、海外コンペのコミュニティーなどに参加して情報交換を積極的にしているようです。
なぜコンペにチャレンジするのか?
時間やお金がかかるので、なんとなく、ではチャレンジできないですよね。
「認定講師試験を受けるためにコンペに出たい」
「フレンチスカルプチュアを極めたい」
「ジェルアート部門で入賞して有名になりたい」
など具体的な目標がある方は、練習を続けられることが出来るでしょう。では、そういう目標がない人は出場してはだめなのでしょうか?
そんなことはないと思います。
「技術が上手になったら出場する」ではなく、「技術が上手になるために出場する」のです。
私自身、サロンワークの傍らコンペに挑戦し続けてきました。
技術練習だけでなくモデルさんの爪の管理や材料研究など、少しでも作品を美しく見せるために工夫を重ねてきました。
ただサロンワークをやっていただけのネイリストよりはネイル技術に向き合って来た自負があります。
コンテスト=サロンワークに直結するわけではないけれど、ネイリストとしての技量を上げたいのなら一度は参加することをおススメします。
モデルが用意できないのなら、ネイル雑誌で主催しているアートチップコンテストに気軽に出品するでも良いと思います。
一度チャレンジしてみて、もし入賞できたなら「わたしってアートが得意だったんだ!」と自分の長所を知るきっかけになりますよね。
また入賞しなかったとき、「悔しい」という気持ちが沸き起こるなら、それをきっかけにステップアップできるのではないでしょうか。
ネイルコンペは雲の上の存在ではありませんよ。是非積極的にチャレンジしてみてくださいね!