NTC講師/ネイルパフェジェルトップエデュケーター 椛島 舞子
「ネイルクイック」といえば、ネイル業界を牽引してきた業界のパイオニア的な存在。今回インタビューさせていただいたのは、ここで勤続10年になる椛島舞子さん。新人時代から2年で店長へ、そして現在は講師と自社商品の開発・販促全般まで手がけていらっしゃるという椛島さんは、ネイリスト在籍10年以上の方が多数いらっしゃるというこの会社でも、また独特のキャリアを積んでいらっしゃいます。
ネイリストとしての在り方としては、ある意味理想的とも思えるここまでの道のりですが、現在に至るまでにいったいどんな葛藤があり、努力があり、何を目標にここまでたどり着いたのか。
そして、それをサポートしてくれたというネイルクイック運営会社となる株式会社ノンストレスのバックアップ体制や福利厚生なども含め、今回はネイリストとして、そして講師として、商品開発者として、いくつもの視点から語っていただきました。
目標をクリアし続けること、うまくなっていくことが何よりもモチベーションとなった専門学校時代
専門学校に通ってここに入社するまでをお聞かせください
高校時代から美容関連に興味があり、当時はエステティシャンになろうかなと思っていたんです。ネイルは高校時代から自分でやっていて、学校でネイルができない時には、チップを作ってみたり、ずっと趣味として楽しんでいました。進学の際、せっかくなら興味がある分野を全て学べるところがいいかな、と考え、エステ・メイク・ネイルを全て習うことができる美容系の専門学校に進学しました。
当初エステティシャンを目指されていたということですが、選択可能な分野がある中で、ネイル業界を目指したのはいつごろからだったのでしょうか?
実は、入学1年目の時点でエステは自分には向いてないと思ったんです。というのも、エステは自分がどれくらいできるようになったのか、すぐに結果として見るのが難しかったんですね。一方、ネイルは練習すればするほど、やった分だけ結果に出る。目に見えて自分の上達がわかることがとにかく楽しかったんです。そこで、自然とネイルの道に進むことを決意しました。
専門学校では、JNAネイリスト技能検定試験の3級から1級までを取得するようなカリキュラムに沿って勉強を進めたのですが、それ以外に校内コンテストがあり、上位3名に与えられるトロフィーに向かって皆で切磋琢磨しましたね。1学期、2学期、3学期と全部で3回開催され、最後の3学期で学年の1位を決めるというような形だったのですが、私は2年生の3学期に、専門学校時代の目標の一つとしていた1位を取ることができました。
資格試験の練習をしながら、校内コンテストも頻繁にあるとなると、休む余裕がないですね。
それはもう勉強も練習も、ひたすらネイル漬けの日々でした笑。1級の試験は卒業と同タイミングの4月に受け、就職とほぼ同タイミングで合格しましたが、実はこの頃、こまめに目標を立て、ひたすらクリアを目指して努力する、という体験をしたことが今にもつながっているんです。
働く環境を見抜く力もひとつの運!ネイルクイックとの出会い
晴れて資格も取り、いよいよ就職、となりますが、ネイルクイックに入社するきっかけはどのようなものだったのでしょう?
実は専門学校は大阪の方だったのですが、若かったですし、一人暮らしをしたいという軽い気持ちで、東京で就職をしたいなと思っていたんです。
最初は、新宿のとある個人サロンでアルバイトとしてスタートしました。ただ、実はこのサロンが、今で言うところのブラックな環境で、研修も何もなく初日からすぐサロンワークに入るような雰囲気で、その他にも勤務時間や全体の体制に疑問を持ち、1ヶ月で辞めたんです。
出鼻をくじかれた感はありましたが、この体験はいいきっかけになりました。というのは、福利厚生が整っていること、研修制度があることなど、しっかりとネイリストが働きやすい環境で働きたい、と明確な目的を持って次のサロンを探すことができましたから。
そこで見つかったのがネイルクイックです。ネットで探したのですが、研修も無料で、サロンワークの経験が少ないネイリストでもしっかりと成長できる環境があるというのが決め手となり、ご縁をいただきました。ここに就職して10年になりますが、こんなに長く働くことができる会社に出会えたことが、まず私にとっての幸運だったんだろうと思っています。
研修制度が整っていることもここを選んだ理由の一つということですが、専門学校時代に身につけた技術があっても、サロンでの研修は必要なものでしたか?
これは確実に必要でしたね。学校では検定合格を目的とした勉強や、技術を教えてもらうので、やはり実践の部分、サロンワークというのは研修で教えてもらわないと、分からないものなんです。
爪は個々にも全く違いますし、例えばケアの方法ひとつとっても人それぞれ違っていたりしますから。実際、最初のサロンでは入社日次の日からすぐ、「お客様に入って!」という感じで、「接客?分からない!」となってしまいました。
私が就職した頃から、ここでは、資格を持っていても、ある程度技術があっても、サロンワークに入る前の研修を行う制度がきちんと整っていたんです。この研修センターでは、敬語の使い方や電話の取り方から、接客の基礎を学ぶような研修制度がきちんと設けられていました。
業界全体としても、ここまでしっかりと入客前の研修をするのはなかなか難しく、研修は行われないところも多いとは思うのですが、実は一番大事な部分なのです。
現在は最初の新人研修期間も以前に比べ長くなっていて、最初の1ヶ月間は研修期間として研修センターで行われ、2ヶ月目に店舗へ配属されます。そして、その2ヶ月目が終わった後でもう一度ここに戻ってきてもらうのです。「サロンワークを実際経験してどうだったか?」を振り返りながら、ここで再度研修を行うんです。
実践と平行しつつ、こういった研修を受けながら、徐々にサロンワークに入っていってもらうことができます。
ここまでの研修制度というのは、普通の企業でも無いところもありますよね。ビジネスマナーは見て覚えなさい、というような企業は珍しくありません。
そうですね。うちでは、例えば新人ネイリストでなくても、技術研修はここでやっているんです。これは、中途採用の方だけではなく、今働いているスタッフたちに対しても同様です。
ここが研修センターのもうひとつの特色ですね。カリキュラムに組み込まれているだけでなく、自分で意欲さえあれば、常にネイルを教えてもらえる場所にもなっているんです。練習が可能な日のスケジュールが2ヶ月前に出され、それを見てスタッフに申し込みをしてもらうという形になっていますので、ちょっとした疑問も、すぐに解決出来る環境です。
ネイルクイックへ就職後の快進撃がスタート!
椛島さんもこのようなカリキュラムを経て、最初の店舗は都内の店からスタートされたとのことですが、新人研修を経ても、やはり苦労したことはあったのでしょうか。
もちろんです。どんどん新しく入ってくるネイルの技術があって、それを身につけるためには当然練習を行うのですが、やはり新人ということもあり、習得までには時間がかかっていました。
一個ずつ覚えていこうとしても、「ああ、やっぱりまだ先には進めない」というように、そこは数をこなしながら、自主練しかないのですが、デビューするにあたって長い期間がかっかったなというのはありますね。
技術習得に関して、次の段階に進むには一定の基準のようなものが社内できちんと統一されてるのですか?
そうですね。最終的には基準をクリアできているか、店長や、研修センターの先生のチェック後、「もうあなたは入っていいよ」と許可をもらって初めてお客様の施術に入ることができます。
最初は苦労することがあっても、着実に技術やスキル、コミュニケーション能力を含めて培われたな、と一定基準を経て接客へ進めるという形ではあるので、安心してデビューはできますね!そこを目標に入社当初は頑張るのも、ひとつのモチベーションにつながるかと思います。
そして、モチベーションの保ち方も大事です。人それぞれかとは思うのですが、私は入社当初は、お給料を上げることを目標にしていました。というのも、社内試験があって、クリアしていくごとにお給料が上がる制度になっていたから笑。
今のネイルクイックは、社内試験の他に、お客様から頂戴している指名料が全てネイリストへ還元されるようになっているんです。なので、頑張ったぶんだけの評価が確実にもらえるというのはとても励みになりますよね。
経歴を拝見すると、専門学校卒業後2年で認定講師の資格も取得されていますが、これは新人時代に、苦労されていたときにも重なります。サロンワークでの勉強もある中で、資格を取得するのはかなり大変かと思うのですが、これはどういった経緯でしょう?
私は、目標がある方が頑張れるんです笑。サロンワークをする中で、社内試験があるのですが、まずはそれに合格することを目標にして日々練習をし、様々な社内試験に合格して、次は何を目指そうかなと考えた時に、認定講師の資格はもともと取得したかった資格でもあったので、取ることにしたんです。
ただ、やはり認定講師は特に勉強しましたね。私自身、実は昔から教えることに対して憧れもあったことから、一番力を入れたい資格でもあったんです。とはいえ、サロン研修もおろそかには出来ない。サロンの研修が終わってから、そのあとに練習をしつつ、それとは別に認定講師の資格の勉強をする日々でした。休みのたびに、研修センターによく通ったものです。
なるほど、その意欲が実った結果として、認定講師取得と同時に、入社から2年ほどで店長に就任されていらっしゃいますよね。これもまたスピード出世とお伺いしています。店長になる基準を聞かせてください。
スピードだったのかもしれません。店長就任の条件としては、ひとつ明確な基準として、ネイルクイックで決められたネイリストのランクで一定のランク以上を取得していることが条件となります。加えて、お店をきちんと管理できるか、下のスタッフを教育するマネジメント能力が備わっているのか、など、総合的に評価をもらった時点で、上層部から声がかかり、店長に就任する流れです。
私は店長就任と同時に、都内の店から横浜のショッピングモール内にある店舗に異動し、そこで4年半を過ごしました。
店長時代の椛島流マネージメント術とは?
店長になってから意識していたことで、例えば、年上の方がいる中で、お店をまとめていくというところ、売り上げをあげるというところなどは、どのように管理していたのでしょうか。
店長就任時、研修を行うスタッフの中には私よりも年上の方もいましたが、年齢は関係なく、ネイリストとしてしっかりとお客様に施術を行うために、課題や目標を持ってもらうようにしていました。「こまめに目標設定をする」というのは、ある種私ならではのスタイルだったかもしれません。
目標設定してもらう特に、私がまず一番意識して欲しかったのは、施術のスピードです。新人さんの時というのは、施術のスピードがゆっくりなのは、仕方がないこと。ですから初めは、常にスピードを意識させるために、タイマーを常に机に置いておき、「全体で何時間かかり、どの作業に何分かかったのか」など、細かい工程ごとに記憶しておくように伝えるんです。
そうすると、時間がかかってしまっている過程が可視化され、課題を見つけることができますよね。それを個々にフィードバックしてもらい、例えば「もう少し時間を短くするにはどうしたらいいか?」とピンポイントで不得意な部分を重点的に見るようにしていました。
サロンワークでは、「できたか、できないか」以上に、「時間を意識し続けること」もまた難しいものなんです。でも実際、施術の時間とお客様の回転率というのは売り上げを上げていくには重要なこと。これは究極論ですが、施術が綺麗にスピーディーに行えるようになれば、後はどれだけ予約が入るか、だけですから。
そして、できないことに関しては、フォローできる体制が整っていることも店長としてありがたいことでした。「ここを中心に練習してきてね」というと、研修センターで練習して、そこから報告をもらいながら連携をとって育てることができたんです。
教育もかねながら、売り上げに直結するようなマネージメントをされたんですね。ほかに何か工夫されたことはありますか?
先ほどは回転率のお話をしましたが、店舗の売り上げというのは回転率だけでなくて、単価も重要なんです。ネイリスト的にも、単価を安く多くお客様をとるよりは、一人頭の単価をあげて、じっくり施術できれば体力的にも負荷は少ないですし。
私が店長の時には、そこに注力した結果、少し施術時間が長くても、アートをたくさんしてくれるお客様を取り込むことができました。2時間で1万5000円から2万円くらいだったと思います。ファミリー層も多いエリアで主婦の方も多いエリアだったこともあるかと思うのですが、単価に値するようなネイルであれば、多少時間が遅くてもいい、という方を取り込めたことは良かった点ですね。
その平均単価は本当にかなり高いですね。単価を上げるための工夫はどんなことをされていたのですか?
アートサンプルを充実させていたのはひとつ要因にあったと思います。研修も兼ね、毎月、一人4パターンくらいは新しいサンプルを出すことは意識的にやっていました。
毎月新しいサンプルが出ているとやっぱりお客様には喜んでもらえますし、今まで出ていないデザインなので試してくださる方も多いんです。アートサンプルは、ゴージャスすぎるくらいにしておいて、そこから少しマイナスするとシンプルにも見えていいですよ、というような提案もしていました。
私がいた店舗はスタッフが4人と、規模としては小さな店舗だったので、スピードも意識しつつ、単価も上げていくことは常に頭においてマネージメントをしていました。
サロンワークをしながらも個人目標を設定。様々な資格試験をパス!
店舗マネジメント能力の高さも、素晴らしいなと思うのですが、並行してかなりの種類の資格を取得されていますよね!
そうですね、資格はたくさん取りましたね。各ジェルメーカーのエデュケーターや本部認定講師を取得しています。店舗マネジメントにももちろん力を入れていたんですが、それとはまた別に、先ほど話をした通り、個人的に目標をたててクリアしていくことはライフワークのようになっていて。
会社的には何か関係があったわけでもなく、自分の中で「1年に1個何か達成するという」目標に向かって挑戦していました。ネイルが好きだという気持ちだけは人一倍強かったので、とにかく全部の時間とお金を資格取得のための勉強につぎ込んでいましたね。
資格取得の過程で何か得たものはありますか?
もちろんです。資格を取ることを目標にはしていましたが、根本的な部分では、私の中で、「メーカーを一つずつ極めていきたい」という思いが原動力につながっていたんです。
各メーカーの資格の中で、それぞれ一番上の資格に合格することは、そのメーカーの知識を身につけられた、製品のことを確実に理解したことになると思うんです。少しさわりを勉強した程度では、製品の良さも、最適な扱い方も分からないんですよね。そうするとお客様に対しても最善の提案をすることができません。
そんなこともあり、せっかくメーカー商品について勉強するなら、資格を全部取ってしまいたいと思ったんですね。
念願だった講師という仕事
このように資格を取りながら、様々な知見を増やし、徐々にスクールの講師へと移行されていく椛島さんですが、これはどういった流れがあったのでしょうか?
もともと、「先生になりたい」という思いがあったことはお話したとおりなのですが、資格もあったことから、店長時代から、週1~2回ほど、スクールに講師として入っていたんです。その後、スクールの講師をされていた先生が退職されたことをきっかけに、声をかけていただき、こちらに本格的に異動しました。
実は、学生時代から、「講師になりたいな」という夢は持っていたんです。というのも、当時教えてくださっていた講師の先生、25歳くらいだったと思うのですが、しっかりと教えて下さるその姿に憧れを持っていたんです。
もうひとつ、学生時代に学校行事のような形で経験した、「学生サロン」(ネイル1回500円程度のもの)で、私が先生役、技術責任者のような役割を任されたんですが、ここで「ネイルを人に伝えるのは面白いな」と感じた経験も、すんなりと講師の道へ進めた理由のひとつです。
色々な意味で、椛島さんの現在には、専門学校時代から得たものが多くあることが良くわかります。ちなみに、店長から講師専門になられて何か変わったことはありましたか?
講師に就任した当初は、既存のスタッフに教えていました。そのスタッフたちはもともとサロンワークを経験していますし、もちろん基礎があるので、少し言えばすぐに理解してくれるんですが、未経験からネイリストを目指す方たちに教え始めた時にはやはり壁にぶちあたりましたね。1から教えたり、伝えるというのはやはり難しいことなんだなと、改めて気づかされたんです。
まだ何もわからない状態の方たちに、今まで行なっていたスタッフたちと同じ教え方では伝わらず、もっと細かく丁寧に教えないといけないのだなと。どうやれば伝わるか、その点は本当に試行錯誤しながらスタイルを作っていきました。
例えば、筆の持ち方ひとつとってもそう。私は、理屈ではなく、すでに使いやすい持ち方を自然としてしまっていますが、いざ教えるとなると、人によって持ち方も異なっていることもあります。そういう意味では、このスクールは少人数制で教えているので、一人一人に合ったスタイルで、密に教えることができることは結果的に好都合でした。
多種多様な方がいる中かと思いますが、教育する中で心がけていることとはなんでしょう?
少人数だからこそできる教え方をしています。言い方を変えれば、一人一人、教え方を変えるようにしていますね。
やはり人によって出来るようになるスピードが違うので、「この人は要点を伝えてすぐに実践させた方がいいな」「この人は一工程ずつ、ゆっくりと理屈で教えた方がいいかもれない」など、人に合わせて研修を行なっています。
もちろん、トータルでの時間は決まっているので、それぞれ最後は辻褄が合うように教えていきますが、こうやって一人一人に寄り添って教えることができるのは、少人数制を取っているネイルクイックのスクールならではだと思いますね。
ネイルクイックのネイルスクール/NTC ネイル・トレーニングセンターについて
実際、こちらのスクールに通っている方はどんな方が多いですか?
自分で自由に時間を選んで受講できるフリータイム制で申し込んでくださる方が多く、年齢も若い方から年配の方まで幅広いのが特徴です。中でも比較的多いのは、お子さんがいらっしゃる方。おそらく10時から13時だけ、など、限られた時間の中でやりくりできるので拘束されないので、空き時間に通いやすいんだと思います。
もちろん、フリータイムということで時短ネイルについて勉強をするとしても、コースが色々あるので、初級までのコースであれば60時間くらいで卒業は可能です。取りたい資格のコースを選択して、受講時間も決まっているので卒業までの目安もすごくわかりやすくなっていますよ。
椛島さんから見て、伸びて行く生徒と、行き詰まってしまう生徒、途中でリタイヤしてしまう生徒など、違いはどこにあると思いますか?
私が様々な生徒さんを見て思うのは、伸びない方というのはメモをあまり取らないという場合が多いです。私は必ず、授業中重要な場面では「今メモ取って!」と言います。それは、メモをとることで自分の頭に入るというのと、家に帰ったときに見返すことができるからなんです。
そして、メモは、必ず私の目の前で書いてもらうようにしています。というのも、時々、間違ったことを書いてしまう方もいるので、その予防のためにです。メモをきちんと取れる人は伸びて行くのも早いな、と思いますよ。
あとは、やはりとにかく練習ですね!本当に大事なことです。その中では、自分で考えることも一人前のネイリストになるためには必要です。何も考えずに、講師から言われたことをやるだけで、「今日、これやりました。」という生徒さんはあんまり伸びていかないんですよ。「こうなっちゃったんですけど、何故ですか?」というように、なんで失敗したのだろう、どうしたらもっとうまくいくんだろう、と考えられる生徒さんは伸び代がありますね。
年齢を気にされる方もいらっしゃるのですが、ネイリストを目指すのには年齢は全く関係ないと思っています。本当に意欲さえあれば、何歳からでも、ぜひトライして欲しいですね。
何歳からでも挑戦できる!というのは、なんだか勇気がもらえますね。若い方がいいというようなイメージがつきがちですけど、やる気と、その部分に比例するということでしょうか。
そうですね。むしろ、学生の頃は、専門学校なりスクールに通うにしろ、親がお金を払ってくれている場合が多いので、そこまでの想いをもってやっていない生徒さんも実際いるかと思うんです。
でも、例えば主婦の方などは、かなり気持ちを固めて、自分でお金を工面して通われている方が多いんです。自分の自由になる時間もお金も貴重だと分かっている分、やはり本気度が違うなと思うこともありますね。
なるほど、ただ一方で、主婦の方、特にお子さんがいらっしゃる方などは、卒業したとしてもサロンワークが難しいのも実際あるかと思うのですが、皆さんどうされているのでしょうか?
自宅でサロンを開業する方がほとんどですね。ただ、卒業していきなり開業という訳ではなく、最初は友達に練習で施術をして、技術力がついてきた頃に本格的にサロンとして活動を始めている場合が多いかもしれません。お客さんもママ友などの繋がりが多いようで、自宅で開業する方がほとんどですね。
一方、やはりサロン経験もなく、そのまま開業するのは実際大変という声もあります。本当は実践する以上の勉強はないのですが、こればかりは物理的に難しい生徒さんがいらっしゃるのも良く分かるので、「検定はこうだけど、多分お客さんはこういう風にきれいな爪では来ないよ。こういう場合どうしたらいいと思う?」など、想定できそうなシーンを含めて教えています。
実際サロンで現役のネイリストとして働いている先生にも教えてもらえる機会が確実にありますし、リアルなサロンワークでの話を聞きながら学べるのはひとつこのスクールの強みでもあります。スクール卒業生に関しては、サロンスタッフのような特別研修は行なっていませんが、自分で授業を追加して学びにくる方もいらっしゃいますね。
ネイルクイックの福利厚生について
こちらの会社は、福利厚生も厚いとお聞きしました。10年以上勤務されている方も多く、一方で子どもを持ってもトライできる環境、様々な点から個々に寄り添ってくれる温かさを感じます。その中で、やはり気になるのは、産休、育休制度です。みなさん実際に取られてますか?
妊娠した人の育休、産休取得率はほぼ100%ですね。今ネイルクイックに在籍しているネイリストは320名くらいいるのですが、常に毎年10数名くらい、全体の5%くらいの人が産休に入っております。この割合も、業界的には多い方だと思うのですが、産休・育休に入る人に加え、育休明けの方が時短で働いている割合も含めると15%になり、現場は大変になってしまうこともあるのも事実。そこで可能な方には積極的に会社から補助を出し、延長保育をしてもらうこともありますね。
さらに2013年からは、不妊治療のための時短制度も設けられました。というのも、妊活や、不妊治療に入るネイリストは、やはり身体のこともあり、退職してしまう場合が多かったんです。でも、それは会社としても支援するべきだということで、現場からの声を挙げたところ、社長から即OKを出していただきました。利用実績は3名ほどですね。
産休育休は聞いても、不妊治療のための支援制度はかなり画期的ですね!そこまで寄り添ってくれる企業はなかなかないと思います。
そうですよね。革新的なことをやっているというよりは、現場の声を上層部にも届けられる風通しのよさが、自然とそういった仕組みを作ったともいえると思うんです。
少し例えは別ですが、ネイルクイックには、男性ネイリストも在籍していますし、積極的に募集もしているんです。お客様によって好みはバラバラですが、男性にはまた男性の作り上げるイメージがあり、良さもあって。刺激し合える環境にもなっていますね。
自社商品では開発・販促・PR全てを手がける
さらに、こちらでは「ネイルパフェジェル」というネイルジェルの開発もされていますよね。椛島さんは商品開発や販促にも携わっているということですが、これはきっかけなど、あったのですか?
この「ネイルパフェジェル」は、私が就職後、開発が始まったんです。担当となったのは、前任の方が退職されたのをきっかけに引き継いだことなのですが、私はもともとジェルや、ポリッシュ、筆など様々なネイルメーカーの商品を使うことが好きだったんです。先ほど申し上げたように、検定も多々受けていたんですが、その際、実際に商品を購入し、自分にあうのはどの商品なのかを研究していました。
こういった知識を今の自社ブランドに生かし、いいものをとにかく作りたいという想いで、自社商品に関してもトップエデュケーターとして、日々研究を続けています。
自社ブランドが開発できるというのは究極の夢というか、どこの会社でもできるというわけではないですから、自分好みにできるのもまた醍醐味ですね。
そうなんですよね。一方で、万人受けされるものでなくてはいけないと思うので、自分だけの意見だけではなく、トレンドは常に敏感に取り入れて開発をしてみることも意識しています。
逆に、あまりにも情報に振り回されてしまうと、その情報に商品が寄ってしまう可能性もあるので、現在は、あえて他社商品にはあまり触れず、自社商品と向かい合う日々です。
現在は、事実上商品開発の担当は椛島さんのみになるのでしょうか?
ほかの講師たちと協力して開発しています。また、商品を検証してもらうために、各店舗のネイリストに協力してもらうことはもちろんあります。自社商品ですから、実際に商品が開発されたら全店舗では使われることにはなりますが、それだけでは売り上げにはならないため、ネイル製品を展示したり紹介したりするイベントにも積極的に出展し、プロのネイリスト向けにPR・販売もしています。
営業先は全国のネイルサロンが対象で、時々台湾にも行ったりしてますね。あとは、業務用にネイル製品を扱うショップも全国にあり、商品をすでに扱ってもらっているので、そこでさらに売ってもらうためにプレゼンも行っています。
今後の抱負や、これからの目標、そしてメッセージなどあれば教えてください
自社で開発しているネイルパフェが、有名になることです。ある程度は知名度が出て来たかなとは思うのですが、目標はさらに高く!みなさんが知っているジェルブランド、例えば、「カルジェル」のような製品にするのが今の私の夢ですね。
これは、講師としての夢ともリンクしているんです。今、ネイルパフェのエデュケーター育成も積極的に行なっているのですが、一層このネイルパフェを広めてくれるエデュケーターを育てて、広めていきたいなと思っています。
個人的には…最近はあまり行けてないので海外旅行に行くことと、それから、やはり子供が欲しいですね!
ネイルというのは、練習すれば、絶対結果が出てくるものだと思うので、とにかく最初だけで諦めずに頑張って欲しいですね。私も実際、1年間くらいは、休みの日はこの研修センターに通っていたんです。そのくらい練習をすれば、絶対結果として技術力も上がりますよ!
生き生きと語ってくださった椛島さん。経歴を拝見した時は、もっとぐっと肩の力が入った方をイメージしていましたが、いい意味で自然体でとにかく謙虚。
「ネイルが好き」という原動力を持って、ぐんと才能を開花させ、夢を実現させたのは、誰のおかげでもなく、常に目標を設定し続けて努力した椛島さん自身の力が一番。そして、やはりそこをサポートしてくれる存在として、しっかりと身体も心も預けられる会社の体制があってこその二人三脚体制だったかと思います。
様々な会社がありますが、お客様はもちろん、働き手側にまでしっかりと寄り添ってくれる、そして現場の声が通る会社には素敵な方がたくさんいらっしゃいますね。最近結婚され、プライベートも益々充実されたという椛島さん、きっと今後のネイリストさん達が目指したいロールモデルの1つを築いてくれる存在かと思います。まだまだ快進撃にも期待させてください!