ネイリストになるためには一般的には特別な学歴は必要なく、誰でもなることができると言われています。
しかし同じように必要ないと言われている検定資格も、2級以上を持っていないと就職に不利になるというのが実情です。
それでは実際のところ、ネイリストにとって学歴や教養は必要なものなのでしょうか?
学歴・教養の有無がどれだけネイリストに影響するのか、包み隠さずにご紹介したいと思います。
高卒以上がベター
接客業に一般常識は必要不可欠
ネイルの技術と学歴は一切関係ありません。
しかしネイリストという職業は技術職であると同時に接客業でもあり、お客さんとのコミュニケーションやおもてなしの精神が非常に重要です。
例えば自分がお客さんとしてネイルサロンに行った時に、挨拶や敬語もろくにできないネイリストが担当だったらやはり気分は良くないですよね。
ネイルのデザインが良くてもリピートをしないかもしれません。
接客業において一般常識は絶対に必要なものなので、最低でも高校は出ておくことをおすすめします。
ネイルサロンによっては高卒以上が応募資格
上のような理由から、高校を出ていることを応募資格としているネイルサロンもあるんです。
就職に強いことで有名な東京のネイルスクール「キャリエール」が優秀な卒業生をネイルサロンに送り出すため、入学資格に「20歳以上、または半年以上の接客経験」を設けていることからも、ネイリストは接客力や一般常識が重視されていることがわかりますね。
資格取得のためには義務教育修了の必要あり
ネイリストに学歴は必要無いと言われていますが、実はJNECネイリスト検定試験をはじめとする資格取得のためには、義務教育を修了、つまり中学校を卒業している必要があります。
こちらはほとんどの場合問題ないでしょうが、一応参考までに。
教養は接客の武器になる
話を合わせられるお客さんの幅が広がる
コミュニケーション能力=ノリの良さというのは間違いです。
大切なのは、相手に合わせた対応をすること。
お客様は高校生や大学生の若い女の子の時もあれば、社会人として働くバリバリのOLであったり、あるいは家事や育児に励む主婦かもしれません。
幅広い人に対応するために求められる力が教養なのです。
やはりそういった面では、大学を出ていたり、一般企業での社会人経験がある人の方が強い傾向にありますね。
高級店や富裕層の多い立地で働きやすい
銀座のホステスは毎日欠かさず新聞を読むという話をご存知でしょうか。
やはり富裕層の多い場所では客層も学歴が高かったり、良い企業に努めていたりすることが多くなります。
そのようないわゆるハイソサエティな人たちとしっかり話を合わせられるよう、勉強が必要になるようです。
同様の理由で、富裕層が多いエリアや高級店などでは、技術に加えて教養が厳しく見られることは少なくありません。
こういったお店は待遇が良い場合も多いですね。
経営志向なら学力は大きなプラス
ネイルサロンが潰れる理由は行き当たりばったりの経営
資格が必要なく、開業費用が安いことからネイルサロンを独立開業するネイリストは少なくありませんが、その多くが潰れてしまうのが実情です。
3年以上続くネイルサロンは約10%、10年続くネイルサロンは5%以下とまで言われています。
確かにネイルは競争が厳しい世界です。
しかしサロンが潰れてしまう最も大きな理由は、競争の激しさ以上に、オーナーが経営者としての視点を持っていないからなんです。
ネイリストとして指先を美しくプロデュースし、お客さんに満足してもらう能力は高くても、経営には無頓着。
それではやはりネイルサロン経営は上手くいきません。
経営には考える力、数字を見る力が必要
経営に必要な考え方は実は非常にシンプルで、「サロン運営にかかる費用よりも利益を大きくする」だけです。
しかしそのためには立地や競合を意識したサロンの打ち出し方や集客方法、人材確保や育成など、サロンを実際に運営し、利益を上げていくために考えなければいけないことが山程あります。
また同時に、これらを数字で見る力も求められます。
目標とする収益を上げるためには、どれくらいの価格設定でどれくらいの費用を広告に使い、どれくらいお客様を集めればいいのか。
どんぶり勘定ではなくしっかり数字で考えなければいけません。
データを元に日々経営改善を行い、その効果測定も必要ですね。
まとめ
ネイリストに学歴が必要かどうかというテーマについては、人によって様々な意見があるいでしょう。
しかし、接客できるお客さんの幅を広げたり、経営者としてサロンを持つ場合には、学力と教養は確実に「あるに越したことはない」と言えます。
もちろん学歴が無くとも高級サロンで活躍したり、ネイルサロン経営に成功しているネイリストは大勢います。
しかしその人達は成功に見合うだけの努力をしているということを忘れてはいけません。
「ネイリスト志望だから学歴はいらない」と思考停止せずに、しっかりと自分の将来について考えた上で決断していただければ幸いです。