オーガニックコスメの基準とは?肌に優しい化粧品選びのポイント

肌に元気がない…そう感じたことはありますか?スキンケアやメイクは女性にとっては日常の中で切り離せないもの。直接肌に触れるものなので、なるべく肌に優しいものを使いたいですね。

肌が元気だとお客様にも明るい印象を与えます。今回は肌に優しい化粧品として、オーガニックコスメについて解説していきます。

オーガニックコスメとは?

そもそもオーガニックとは?

直訳すると「有機の」という意味をもつオーガニック。つまり、有機栽培された植物を原料として作られた製品のことを「オーガニック〇〇」と呼びます。

自然派、ナチュラル志向な考えが世界を中心に広がってきている中、食べ物や衣類、コスメなど身の回りの物にこだわりを持って気をつかう人が増えてきています。

有機栽培

有機栽培とは、なんとなく自然な感じで栽培されたものなのかな…と想像できますが、実際はどのような栽培方法なのか知らない人も多いかと思います。

有機栽培は、農薬や化学肥料を使わないで、昔ながらの有機肥料(落ち葉などから作った腐葉土など)を使用した栽培方法のことを指します。

オーガニックコスメの定義

オーガニックコスメとは、有機栽培された植物を原料とし、製品化された化粧品のことを指します。

・オーガニック認証
その製品がオーガニック製法で作られているということを証明するものです。実は、オーガニックコスメには世界での基準が存在していません。なので、国や認証機関が独自の基準を設けて、厳しい審査のうえ認証しています。

そして、日本には「有機JAS認定」というものがありますが、これは食品に関して認定する機関で、オーガニックコスメの認証機関ではありません。現段階では、オーガニック製法の植物原料を1つでも、ほんの少しでも使用すれば「オーガニックコスメ」として販売することが出来るので注意しましょう。

世界の認証機関

海外では各国にオーガニック認証機関があり、その基準を通過したものに認定ロゴが入り、購入者は安心・信頼してその商品を買うことが出来るのです。こちらでは、その機関のいくつかをピックアップして、審査基準とともにご紹介します。

◇ECOCERT(エコサート)
フランスで設立された、世界最大規模の認証団体。

審査基準
・95%以上が自然原料であること
・全体の5%以上がオーガニックであること
・植物原料の50%以上がオーガニックであること
・化学原料は全体の5%以下であること
・化学香料は使用不可

◇demeter(デメター)
ドイツで設立された、世界で最も基準が厳しいとされる機関。

審査基準
・バイオダイナミック農法で栽培したデメター認証原料を全体の90%以上使用すること
・化学香料は使用不可
・化学原料の使用不可
・動物実験の禁止

◇BDIH
ドイツで設立された、自然化粧品の認定団体。

審査基準
・可能な限り有機栽培、または野生の植物から抽出された原料を使用すること
・生態系に影響を与えないこと
・動物実験の禁止
・動物由来の原料は使用不可
・防腐剤は天然成分を使用すること
・遺伝子組み換えの成分は使用不可

◇SOIL ASSOCIATION(ソイル・アソシエーション)
イギリスで設立された認証機関。

審査基準
・遺伝子組み換え作物の規制
・肥料に遺伝子組み換え作物を含まないこと
・水栽培、鉢植え等の禁止

このように各機関に厳しい基準を設けているのです。

ナチュラルコスメや無添加・自然派コスメとの違い

「ナチュラル」「無添加」「自然派」「天然由来」など肌に優しいと謳っているコスメはたくさんありますが、これらは一概にオーガニックコスメだとは言い切れません。

無添加コスメは「アレルギー反応を起こす危険性のある化粧成分を抜いた化粧品」という旧厚生労働省が指定した定義はありますが、化学成分に対する規制はそれ以上はないのです。それ以外のコスメも化学成分を使用している可能性は十分にありますので注意しましょう。

それに対してオーガニックコスメは、できるだけ人の手を加えずに、自然が本来持っている力を引き出し、その成分を肌に届けることを理想とした化粧品だといえます。

肌に優しいとされる理由について

植物の力

なぜ植物成分が肌に良いのかというと、それは植物の環境に適応する能力にあります。私たち人間が肌トラブルを起こすのは、紫外線や乾燥、ストレスなどの環境の変化に対応できないから。動物は環境の変化に合わせて移動をし、自分に適した場所を探します。

それに比べて植物は、自分の意思で移動することが出来ないので、種を落としたその場所に適応して生き抜いていきます。そのため、植物には優れた適応能力と自然治癒力が備わり、私たちは古くからその力を借りているのです。

肌本来の力を取り戻す

オーガニックコスメは化粧品によく使われる、洗浄力の強い合成界面活性剤や、保湿のために配合される余計な油分などを使っていないので、肌に優しいといわれます。

オーガニックコスメに切り替えた直後は肌の潤いが足りないように感じるかもしれません。それは、必要のないものを落として、肌自身の力で保湿する練習中のため。植物は時間をかけて適応していきますので、少し長いスパンで自分の肌が力を取り戻していくのを見守りましょう。

オーガニックコスメはどんな人におすすめ?

将来の自分の肌と健康を考える人に

化学成分をすべて否定するわけではありませんが、化学成分はものによっては体内に入っても、分解することなくずっと蓄積され続けるものもあります。使い続けた5年後、10年後の肌を考えると良い環境で育った自然の成分の方が良いと感じる方におすすめです。

シンプルケアをしたい人に

肌が健康になると、過度なスキンケアを必要としなくなってきます。逆に言うと、シンプルなスキンケアだけで十分になってくるのです。植物は過剰に水分や栄養を蓄えたりしません。

普段のスキンケアで、いつのまにか肌を甘やかして、自分で補う力を奪ってしまっているのかもしれない…と感じている方にもおすすめです。

環境問題や自然に関心がある人に

オーガニックの認証機関やブランドの設定している基準にもよりますが、原料や製造工程において環境や生物への影響に配慮されたオーガニックで作られているものが多く、化学成分の肌や環境への負担について考える方には、オーガニック製品を使うことは環境保全への第一歩になるでしょう。

オーガニックコスメの選び方

共感できる認証マークの商品を選ぶ

上記で説明したように、各認定機関ではそれぞれに基準を設けています。その内容に共感できる認証マークのついた商品を選ぶのも1つの判断基準になるので調べてみましょう。

ブランドのHPやパンフレットを読む

日本には正式な認定協会がありません。ただ、認証マークがなくても独自のこだわった基準を設けたブランドもあるので、ホームページやパンフレットで確認すると良いでしょう。

自分の肌に合ったものを選ぶ

自然のものだからといって肌に優しいとは限りません。触ったらかゆくなったり、かぶれてしまう植物もあるように、何らかの反応が出る可能性もありますので、心配であればトライアルキットやテスターでまずパッチテストをしてから、反応がないのを確認してから使用すると安心です。

自然の力を借りて、元気な肌に

植物については、まだ解明されていない未知な部分も多くあります。ただ、分かっているだけでも古くから私たち人間を心と体の健康の面で支えてきてくれた植物。

昔ながらの自然な形で栽培された植物の力は偉大だと思います。環境にも優しいオーガニックコスメで、肌本来の力を取り戻して、必要最低限のシンプルケアにしてみませんか?

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