ネイルアートはいわば「サロンの顔」とも言える存在です。
毎シーズンごとに新たなデザインを考え、ブログやホームページで発信することがサロン経営においてとても大切です。
ネイリストとして働き始めて少し経つと、店長からサロンワークの合間に「いくつかデザインサンプルを作っておいて」と言われることも増えてくるでしょう。
しかし、ネイルアートが得意な人ならいざしらず、「デザインが思いつかずいつもワンパターン」「誰かのマネになってしまう」とお悩みのネイリストも数多く存在しています。今回は、サロンワークにおける「ネイルデザインの考え方」についてフォーカスしました。
意外にアート苦手のネイリストは多い
アートと聞くと細かく書き込まれたデザインをイメージする人は非常に多いです。インスタなどにもアップされている、様々な素材を駆使したデコラティブなアートをイメージするのではないでしょうか。最近だとモロッカンなタイル柄や人魚のうろこネイルなどですね。
しかし実際サロンワークでは、毎日そんなにたくさんの凝ったアートをする人はいるでしょうか?サロンの客層にもよりますが、実際はシンプルにワンカラー仕上げだったり、グラデーションに1本だけアクセントにストーンを入れるというお客様が多いはずです。
実際にベテランネイリストでも「お客様にやる機会がないから細かいアートは苦手」という方はとても多いのです。「ネイリスト=凝ったアートができなくてはならない」という固定概念をまずは、一度捨ててみましょう。
基本はインスタから!
デザインを考えるとき、まずはインスタグラムで「#ネイルデザイン」などのハッシュタグ検索をするのが一番ポピュラーな探し方です。
特にインスタの上位検索で上がってくるデザインが、ネイリストやネイル業界の一番「旬」のデザインだと思ってください。
投稿している人がネイリスト以外に一般人やタレントなど多岐にわたるため、そのシーズンで一番世の中に出回っているデザインをある程度把握することができます。やる・やらないはともかくとして、ネイル業界で働く者として知識として知っておくことが大切です。
ネイル雑誌は流行りを凝縮したツール
今はインスタが主流になっていますが、ネイルMAXやネイルヴィーナスなどのネイル専門誌もいまだに外せない媒体です。
これらの雑誌は、そのシーズンのネイルの流行と技術をわかりやすく集結&解説したものだと思ってください。
インスタだけでは膨大で流行がつかめない、作り方が分からないという方はこれら雑誌を活用してデザインサンプルを作ると良いでしょう。
またネイル雑誌の場合、ネイリスト目線で紙面が構成されています。ただそのままをマネするだけでなく、自分のサロンのお客様をイメージしながら必要なデザインをピックアップすると良いでしょう。
ネイル以外の雑誌
その他、一般のファッション誌やコスメ誌も外せません。ネイル雑誌はネイリストが見ることが多いため、技術的なことや新商品の紹介などネイリスト目線が偏りがちです。
しかし、ネイルは洋服やメイク、ヘアスタイルなどとトータルコーディネートして「オシャレな人」が完成するわけですよね。まずはファッション雑誌からそのシーズンの流行をチェックして、流行りの色や柄を抑えましょう。
それ以外に「ナチュラル」「ボタニカル」「アシンメトリー」など、シーズンのキーワードを拾っていき、ネイルのデザインに変換すると良いでしょう。
特に、ファッション雑誌で組まれているネイル特集は、ネイル専門誌と構成がまったく異なり、「お客様に伝える」という視線では非常に参考になります。
大切なのは誰目線か?
デザインを作る際に、初心者ネイリストが陥ってしまいがちなのが「自分の作りたいネイル」を作ってしまうことです。
例えば、今年は「人魚のうろこ」ネイルが流行っていますね。たしかに、あの模様を作るのは楽しいし、「今年はこれが流行りですよ!」とご提案したくなるものです。
しかし、お客様によっては「ぼこぼこしてて気持ち悪い」「オフィスネイルに向いてない」とも取れるわけです。ビジネスとしてネイルをご提供するなら、自身のサロンのお客様の世代やニーズに合わせてデザインを考えることが必須です。
また、「すごく素敵なデザインだけど作るのに3時間もかかる」では、サロンの回転率に影響してしまいます。サロンワークでは、「時間がかからず見栄えもするデザイン」が、経営者視点としてはベストです。
お客様目線から考えると、数時間もかかるフラットアートと、ストーンをただ沢山のせただけのキラキラアートは、見栄えの差はよほどネイルに詳しい人でない限りそんなに変わらないはずです。デザインにお店の経営視点をプラスして考えてゆきましょう!
まとめ
以上から、ネイルサロンでデザインを考える際、以下の流れで考えることがおすすめです。
① インスタや雑誌でそのシーズンのネイル業界の流行りをつかむ
② 自分のサロンの客層に合わせたファッション雑誌でシーズントレンドを掴む
③ ①②を踏まえ、サロンのニーズに合わせたデザインを起こす
④ 施術時間と客単価を考慮し作成する。
これからアート作成をされるさいに、是非参考にされてみて下さいね!