春シーズンは、ネイルサロンによってご新規のお客様が増える時期です。
新社会人として働き始めた方が「ネイルサロンに行って見たい」と思ったり、年度が変わり転職や転勤などの環境の変化が理由で、なにか新しいオシャレを始めたい!と思う方も多いでしょう。
なかでも注目したいのがネイルサロン利用者の大半を占めると言われるOLさん層。オフィスネイルを施術するさいに、シンプルで地味だから施術していて面白くない、なんて思っていませんか?
お客様のハートをがっちりつかみ、リピーターになっていただくため、ネイリスト側・お客様側の両方の視点から「オフィスネイル」について考えてみましょう!
オフィスネイルとは
オフィスネイルの具体的な定義というものはありませんが、一般的に言う「オフィスネイル」とは、一般企業でデスクワークをする職種のOLさんが付けているような、シンプルなネイルを指します。
きれいめのジャケットやブラウス、シンプルめのひざ丈スカートやパンツに合わせたオフィスカジュアルに合うデザインです。
「オフィスネイルって、アートも何もない地味なネイルのことでしょ」と思っていませんか?
昔と違い、今は女性がネイルをするのが当たり前の時代になりました。それに伴い、職場でも大丈夫なネイルのデザインの許容量も年々変化してきているんですよ!
毎回変わり映えのないデザインばかり提案してしまい、お客様にも心からご満足いただけず、足が遠のいてしまった・・。
こんなことにならないよう、次項ではデザインの広げ方についてご紹介します。
おススメの色
オフィスネイルのカラーはなんといっても、ベージュ、ピンク、この二つです。
基本的には「ナチュラルスキンカラー」と言われる、お肌の色味に近い色をイメージして頂ければ良いでしょう。
カラーには質感というものがあります。ナチュラルスキンカラーと聞くと地味なシアーをイメージしてしまいがちですが、マット、シアー、パールなどもあります。
マットはしっかりと発色するのでしっかりと発色させたいときに。シアーはあまり目立たせたくないけど、素肌そのものをキレイに見せたいときに。
パールはつやつやとした光沢感が魅力的なので、華やかさをプラスしたいときに。このように似たようなカラーでも、様々な質感をご用意しておくとご提案の幅が広がります。
また、お肌にはベーストーンというものが存在します。お肌のお色味がブルーベースかイエローベースかによって選び方も異なってきます。肌に合っていないナチュラルスキンカラーを付けてしまうと指先がくすんで見えてしまいます。
なるべく自然光に近いライトの下でお色選びをし、お客様のお肌に合った色をご提案しましょう。
おすすめのアート
基本的にアートは少なめでシンプルなのがオフィスネイルです。しかし、お客様からすれば「シンプルすぎて、せっかくネイルをしてもテンションが上がらない」と思ったりしているかもしれませんね。
デスクワークをする際など、指先が目に入る際にウキウキとした気分になれるように、ワンカラーだけではなくお仕事に大丈夫な程度でアートもご提案してみましょう!
本数少な目アート
先述したナチュラルスキンカラーをベースに、片手1本ずつなど少な目の本数だけアートを入れると気分がアガります。オフィスネイルの場合、アートで使用するカラーはホワイトのみの方が悪目立ちしずらいです。
職種にもよりますが、エンボスやパーツなどあまり凹凸のあるアートは避けた方が無難です。
境目ラメ
グラデーションの境目に細かいラメを散らしたデザインもおススメです。「え?ラメを使ったら派手になったりしない?」という声が聞こえてきそうですが、実はラメには2種類の質感があるってご存知でしたか?
シルバーやゴールドなどのギラギラしたメタリックラメと、透明やパステルなどの優しい輝きのホログラムラメがあります。おススメはホログラムラメです。
ほのかに境目に散らすとパッと見は目立たないのですが、手を動かすたびに繊細にキラキラと光るので、仕草が女性らしく見えること間違いなし!どうしてもメタリックラメを使いたい場合は、量や乗せる面積を少なめに調節しましょう。
永遠のデザイン!フレンチ
ネイル好きなら誰もが憧れるのがフレンチネイルです。10本そろったスマイルラインは指先をキレイに見せてくれるのでオフィスネイルでも人気のアートです。
意外に注意したいのがフレンチの部分。つい、フレンチ=真っ白をご提案してしまっていませんか?実はフレンチネイルのホワイトはナチュラルネイルの白く伸びた部分と異なりとても目立ちやすいのです。
ご年配の男性が多い職種などは、フレンチ部分のホワイトを「爪が伸びすぎて不衛生」と思われてしまうケースも!マットな質感のベージュやピンクのフレンチなら、ホワイトほど目立たず指先をキレイに見せてくれますよ!
注意点
オフィスネイルは、色やデザインにかなり制約があります。かといってただの地味ネイルは味気ないもの。お客様にデザインカウンセリングを行う際、以下に注意してデザインの幅を広げましょう。
職種や社風
デスクワークが中心の職種なら比較的デザインは自由にできる場合があります。逆に、お客様の前に出て名刺交換などを頻繁にする場合はアートは避けた方が良いでしょう。
さらにお堅いイメージの金融系ならワンカラーが好印象、外資のIT系などはスカルプでも何をしてもOKという社風の場合もあります。差し支えない範囲でお客様に聞いてみましょう。
確認する
カラーサンプルから使いたいカラーをお選びいただく際、お客様が選んだものを言う通りにそのまま施術をしてしまっていませんか?
「こちらは二度塗りするとかなり発色して目立つベージュになりますが大丈夫でしょうか?」
このように、実際仕上がったイメージを分かりやすく伝えることが大切です。
ターゲット層を調べる
我々ネイリストの場合、良くも悪くもネイル業界にどっぷり浸ってしまっていることが多いです。
オフィスネイルをするようなOLさんが、どんな職種で、どんな働き方をしていて、いくらくらいの収入で、自由に使えるお金は月額いくらくらいか・・、というところまで掘り下げて考えられていますか?
良質な顧客をたくさん持っているネイリストになるためにも、他業種にも視野を広げてみましょう。
さいごに
オフィスネイルだからこその重要事項があります。それは、シンプルであるがゆえにごまかしがきかないということ。
ベージュやピンクの一色塗りは、ネイルケアがきっちりと出来ていないと輪郭がぼやけるし、ベースがキレイに作れてないと凹凸が目立ってしまったり、カラージェルがムラになったりします。
シンプルだから簡単にできる、ではなく、シンプルだからこそ一つ一つの技術を丁寧に行い、お客様の持っている本来の指先のキレイさが引き出せるネイルになるようにしましょう!!