毎日3食しっかり食べているのに、なんだか体調がすぐれないということはありませんか。実は今、隠れ栄養不足・隠れ栄養失調と呼ばれる状態の女性が多くなっています。
食事内容の偏りに心当たりのある人はもちろん、バランス良い食事を心がけている人でも陥るというこの隠れ栄養不足。どうしてそんな状態になってしまうのか、原因や解決策を探っていきましょう。
隠れ栄養不足とは
栄養バランスが悪く、必要な栄養素を吸収できていない状態
「3度の食事をきちんと摂っているのだから、栄養は摂れているはず」そう思う人がほとんどでしょう。現代は忙しくてもコンビニやファストフードで簡単に食事が手に入ります。
しかしそれらはお腹を満たすことはできても、栄養バランスは偏ってしまうのです。ただ、隠れ栄養不足が恐ろしいのは、きちんと自炊してバランス良く食べている人でも陥ってしまうというところ。
たくさんの品目を食べていたとしても、栄養素を失う、または吸収の邪魔をしてしまう食べ合わせなどを知らずにいると、いくら食べても栄養不足になってしまうのです。
3大栄養素と6大栄養素
栄養素としてとても大切と言われているのは、たんぱく質・糖質(炭水化物)・脂質の3つで、これらを「3大栄養素」と呼びます。この3つは私たちの身体を作るもとであり、エネルギー源であるというのはよく知られていますよね。
ではこの3つに気をつけて食事をすればいいかというと、実はこれだけではカロリーは十分に摂れても、栄養的にはまだ足りない状態なのです。
身体にバランス良く栄養を行き渡らせるためには、さらにビタミン・ミネラル・繊維をプラスした、6大栄養素を意識することが大切です。
隠れ栄養不足になるとこんな症状が
隠れ栄養不足になると、疲れやすい、貧血、肌や髪の毛がカサカサになる、免疫力の低下、ホルモンバランスの崩れなどの症状が現れます。
普段からしっかり寝ている、ストレスもないなど他に心当たりがない場合には、隠れ栄養不足かもしれません。寝込むほどではなくても、体調がすぐれない日が続くと気持ちも落ち込んでしまいます。
仕事が忙しく時間が取れないという人も多いかもしれませんが、おかしいなと思ったら思い切って病院へ行くことをおすすめします。何事も早めの対処が一番ですよ。
栄養不足が女性に多い理由
ダイエットを意識して食事を制限しがち
隠れ栄養不足が女性に多い理由のひとつに、ダイエットに励む女性が多いことがあります。太めの女性をはじめ、ダイエットの必要がなさそうな人でも、もっと痩せたいと言う場面はよく見かけますよね。
ダイエットには色々な方法がありますが、手っ取り早くカロリーを摂らなければ痩せるだろうと考えて、食事を抜いたり、野菜しか食べなかったり、炭水化物を摂らなかったりということをしてしまいます。
そうすると一時的に体重は減りますが、身体は栄養不足の状態。疲れやすくフラフラしていては、ダイエット成功とは言えません。
ファストフードで簡単に食事を済ませてしまう
1人暮らしをしている人だと、家に帰って食事を作るのが面倒でついファストフードなどで簡単に食事を済ませる人も多いのではないでしょうか。そんな時に食事のバランスをしっかり考えてメニューを選ぶということはあまりしないと思います。
「疲れたから好きなもの食べちゃえ!」「お財布の中が寂しいから一番安いもので」と偏ったメニューを続けてしまうと、満足感は与えてくれますが栄養バランスは悪くなってしまいます。
女性に必要な栄養素と摂取方法
肉などのたんぱく質はしっかりと!
たんぱく質はお肌や髪の毛、筋肉などを作ってくれる大切な栄養素です。エネルギー源でもあるので、毎日いきいきと過ごすためにはしっかりと摂りたいもの。
たんぱく質を含む食材には、肉・魚・大豆製品・乳製品などがあります。中には動物性の食品を摂らないという食事方法を実践する人もいますが、できれば動物性・植物性のどちらもバランス良く食べることが大切です。
カロリーが気になるのであれば、網焼きで脂を落としたり、脂身の少ない部位を選ぶ、茹でる・煮るなど油を使わない調理法にするなどで工夫することができますよ。
鉄分・カルシウムは日頃から意識して
女性には鉄分とカルシウムが大切と言われています。鉄分と言えばほうれん草、カルシウムと言えば牛乳というのが多くの人のイメージでしょうか。
しかしそれらを単品で摂っていても身体への吸収は不十分。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は肉や魚に含まれており、レバーが貧血にいいと言われるのはヘム鉄が多い食材だからです。
一方の非ヘム鉄は野菜に含まれるものですが、こちらは単独では吸収されにくいため、ビタミンCと合わせることで吸収をアップさせることができます。ビタミンCと言えばフルーツやじゃがいも、さつまいも、キャベツやブロッコリーなどがあります。
そしてカルシウムはビタミンDと合わせて摂ることで吸収が良くなります。カルシウムを含む食材は牛乳やチーズなどの乳製品、小魚などが代表格ですが、これにビタミンDを含むきのこ類、さんま・鮭などの魚、卵黄などをプラスできると理想的ですね。
また、ビタミンDは私たちがお日様に当たることによっても合成されます。紫外線はお肌の天敵ですが、健康な身体を作るためには大切なので、時には意識して日に当たることもできるといいですね。
単品メニューにちょっとプラスでバランスアップ
たとえば、お昼はおにぎりやパンなど単品で済ませてしまうという人なら、飲み物を野菜ジュースや牛乳、豆乳にする、チキンやツナ入りのサラダをプラスすることを心がけてみましょう。
野菜ジュースを飲んだからといって野菜が足りている状態かというと、決してそうではありませんが、ゼロより1の方が良いということです。時間のある日はバランスを整えた食事を作ったり、お弁当を作ったりできるといいですね。
まとめ
太っていても痩せていても陥ってしまう隠れ栄養不足。心当たりはなかったでしょうか。食事の一部を抜くダイエットや偏った食事は体調を崩す原因になってしまいます。
仕事や遊びに忙しいと、食事はついお腹が満たされればそれでいいと深く考えず、好きなものばかり食べてしまいます。栄養不足は今だけでなく、将来の自分の身体にも影響を与えます。
今からしっかりバランス良い食事を意識できれば、この先ずっと役に立つこと間違いなしです。早速、食生活の見直しをしてみてくださいね。