肌の糖化という、三代老化現象のひとつがあります。放っておくと、くすみ肌やシミ、シワにつながり、アンチエイジングケアの効果も薄まってしまいます。
糖化は、糖分の取りすぎや運動不足が原因で発生します。糖化とはどういう現象か、どんなことが起こるのか、さらには効果的な予防策までご紹介します。
肌の糖化とは?
糖化とは、肌が老化する原因のうちのひとつです。糖分の摂りすぎが原因で発生し、放っておくと、肌のくすみだけでなく、心筋梗塞や骨粗鬆症などにもつながります。
肌が老化する原因のひとつ
糖化とは、「三代老化原因」と言われている加齢、酸化、糖化のうちのひとつです。それぞれの老化原因であらわれる症状は、以下になります。
加齢=シワ、たるみ、シミ
酸化=肌がサビる
糖化=肌が焦げる
中でも糖化は、肌が焦げてしまい、本来の色を失ってしまう状態のことを指しています。そのため、糖化が起きると肌がくすんで見える、顔色が悪く見えるといったことが起こります。
糖分の摂りすぎが原因
糖化は、糖分である炭水化物やお菓子の食べ過ぎが原因となって、発生しています。
糖分は、食べたあとはエネルギーとして消費されます。そのため、日常生活や運動時にどんどん消費されていきます。しかし、エネルギー分より上回った量を摂取していると、行き場がなくなり、タンパク質と結びつくようになっています。
タンパク質と結びつくと、AGEs(エイジズ)という物質に変わるのですが、このAGEsに変わった状態を糖化と呼んでいます。そのため、炭水化物やお菓子をよく食べる、運動をあまりしないという方は、注意が必要です。
糖化した物質が体内に溜まると・・・
先ほどご紹介したAGEsこそが、糖化した状態です。AGEsは毒性を持つ悪質物質です。タンパク質と結びついているとはいえ、タンパク質の機能は失われた状態になります。
AGEsは、食パンやホットケーキが焦げる様子に例えると分かりやすいです。どちらも焼きすぎたときに、真っ黒に焦げませんか?
この焦げた状態はメイラード反応と呼ばれており、食パンやホットケーキも炭水化物から出来ているために、AGEsが発生(焦げること)してしまっているのです。
AGEsが体内に溜まると肌の老化現象に結びつく可能性もあります。アンチエイジングケアなどの効果も薄まってしまうでしょう。
糖化すると起こること
糖化が進むと、コラーゲンの破壊や新陳代謝の乱れが発生し、結果的に肌がくすみやすくなってしまいます。
コラーゲンの破壊
糖化が起こると、AGEsという悪質な物質が溜まるとお伝えしました。このAGEsは、美肌に効果的なコラーゲンを破壊してしまいます。
コラーゲンもタンパク質から出来ています。本来の摂取量である糖質のみを摂っていれば、問題ありません。しかし、糖分の摂りすぎであまった糖がタンパク質であるコラーゲンとくっつくと、コラーゲンの機能は失われてしまいます。
コラーゲンは美肌を作るために欠かせない物質です。もともとあったコラーゲンが失われることで、肌がきれいになりにくくなってしまいます。また、ハリや弾力も失われやすくなります。
ターンオーバーの乱れ
肌は、主にタンパク質で構成されています。しかし、糖化によってタンパク質が失われることにより、肌に栄養が届きにくくなり、結果的に肌のターンオーバーも乱れやすくなります。
肌は、約28日周期のターンオーバーによって生まれ変わっています。睡眠時間の確保やバランスの取れた食事を摂取している限り、周期が乱れることは少ないです。しかし、糖化によって肌の材料であるタンパク質が足りない状態になっています。
そのため、ターンオーバーがやってきても肌がきれいに生まれ変わることができず、結果的に新陳代謝もうまく機能しにくくなってしまうようです。新陳代謝が乱れると、シミやシワ、くすみなども改善しにくくなります。
くすみ肌
糖化することで最も目に見えやすい変化が、肌のくすみです。糖化でAGEsが増えることで、発生します。
際ほどもご紹介したように、糖化は食パンやホットケーキが焦げる現象と同じです。また、糖化によってタンパク質が減少し、肌の栄養が不足します。
ターンオーバーで生まれ変わりたくても生まれ変わることができずに、くすみがなかなか改善しないといったことが発生してしまいます。
糖化した肌を改善する方法
糖化した肌を改善することや、予防することは可能です。糖分の消費と、血糖値の上昇を防ぐことに気をつけましょう。
軽い運動習慣で糖を消費しよう!
糖は、日常生活や運動時にエネルギーとして消費されます。そのため、糖を余らせないためにも、運動習慣を身につけて、消費していきましょう。
糖化は、余った糖がタンパク質とくっつくことによって発生します。そのため、まずは糖を余らせないことがポイントとなってきます。糖はエネルギーとして真っ先に消費される栄養分のため、運動をいつもより多めに行うと、糖化も発生しにくくなります。
ジムに通う、筋トレを行うといったものであれば一番良いです。しかし、「時間がない」という場合は、日常生活の中で少しずつ取り入れていきましょう。「エレベーターではなく階段を使う」「一駅前で降りて歩く」など、日々の習慣を変えていきましょう。
食事の順番に気をつけて、血糖値の上昇を防ごう!
血糖値が上昇することも、糖化の原因になります。血糖値の上昇を緩やかにするためには、食事の順番に気をつけましょう。
食事のときに、糖である炭水化物から摂取すると、血糖値が一気に上昇します。血糖値が上昇すると、より炭水化物が食べたくなってしまい、結果的に糖の過剰摂取につながります。
そのため、食事では野菜→肉や魚→炭水化物といった順番で食べるように気をつけましょう。炭水化物を最後に持ってくることで、血糖値は上がりにくくなります。
まとめ
肌の調子が悪い、くすんでいるといった悩みから、シミやシワが出来ていることってありますよね。実は、くすみ肌などの悩みには肌の糖化が関係していることがあります。
糖化とは、糖分の摂りすぎや運動不足が原因で発生する肌の老化現象の一種です。放っておくと、くすみ肌だけでなく、コラーゲンの破壊やターンオーバーの乱れも発生します。
肌の糖化を防ぐためにも、運動習慣を身につけ、食事の順番に気をつけて血糖値をあげないようにしましょう。2つの予防策を行うことで、糖化を防ぐだけでなく、アンチエイジングケアにもなります。ぜひ試してみてくださいね。