多くの女性が生理痛に悩まされている現代。様々な種類の鎮痛剤がドラックストアにならび、女性雑誌では度々鎮痛剤が話題に取り上げられます。
このコラムを読んでくださっているネイリストさんにとっても他人事ではないのではないでしょうか?生理になれば、鎮痛剤を飲みながら、痛みを我慢しながらお仕事をされている方がたくさんいらっしゃるのではないかな?と思います。
「生理痛=冷え」の図式がかなり一般的になってきましたが、実は生理痛の原因は冷えだけではありません。時には不妊につながる疾患が隠れていることもあります。今日は生理痛と不妊の関係についてお話しさせて頂きます。
生理痛はあって当たり前?
最近では、早いと中学生ぐらいから生理痛に悩む…と聞くぐらい、生理痛があって当たり前になりつつあります。その為、多くの人は生理痛があってもなんの疑問ももたずに、鎮痛剤を飲んで、なんとかやり過ごそうとします。
しかし、生理痛って本当にあって当たり前のものなのでしょうか?
答えはNoです。
もちろん子宮内膜が剥がれ落ちて生理が起こる為、なんらかの違和感や不快感を感じる人はいるかもしれませんが、誰もが生理痛があって当たり前なわけではありません。「痛みがある」という事は「なんらかの原因がある」という事です。
痛みどめを飲まずに我慢する必要はありませんが、痛みどめを飲む前に、原因がないか一度考えてみませんか?
生理痛の原因は?
生理痛の原因は大きく分けるとこの5つと言われています。
1プロスタグランジン過剰によるもの。
2子宮の発達が未熟で子宮口が狭い為、経血がスムーズに押し出されずプロスタグランジンが過剰になる。
3冷えなどによる血行不良
4緊張やストレスなど交感神経優位による血行不良
5子宮内膜症や子宮筋腫
※プロスタグランジンとは:生理中は、子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を血液とともに「経血」として体の外に押し出す働きをするのが「プロスタグランジン」。
この分泌が多いと、子宮の収縮が過剰になって陣痛のような下腹部や腰の痛みの原因になります。さらに、このプロスタグランジンの一種には痛みを強めるなどの作用があるので、頭痛や腰痛の原因にもなります。
(※一部、以下サイトを参考)
バファリンルナ:http://www.bufferin.net/lunai/topic/menstrual_pain.htm
EVE:http://www.ssp.co.jp/eve/period_pain/cause/
ネイリストさんの場合、常に座った姿勢で動かずお仕事をしていたり、冷房が効いていたりする環境の為足腰が冷えている方も多いかもしれません。
また、お客様を相手にするお仕事の為、緊張やストレスで常に交感神経が優位な状態になっている場合も多いかと思います。そのような状況でお仕事をしていると、どうしても生理痛が出やすくなってしまいます。
生理中は足腰を冷やさないように、ひざかけをしたり、カイロを腰やお腹に貼ったり、レッグウォーマーで足首を温めたりして出来るだけ冷えないようにするだけでも痛みがやわらぐことがあります。
また、帰宅後は温かいお風呂にゆっくりつかったり、温かい飲み物を飲むなどして、少しでもリラックスできる環境をつくってあげるようにすることをお勧めします。
また、夏とはいえあまり冷たい飲み物やアイスクリームのような冷たい食べ物ばかり食べているのも身体を冷やす原因になりますので、ほどほどにしておいたほうがいいでしょう。
それでもおさまらない生理痛の場合は一度病院へ
●身体を温めても、リラックスしても生理痛が治まらない。
●段々と鎮痛剤が効かなくなっている気がする。
●年齢ととともに生理痛が酷くなっている。
●起き上がれないほどの痛みがある。
そんな場合は冷えなどではない、別の原因が潜んでいる可能性があります。その一つが子宮内膜症です。子宮内膜症になる原因はまだ解明されてはいませんが、内膜が子宮内ではなく、卵管や卵巣、骨盤腔に飛び散ることで、それらがはがれる時に酷い痛みや人によっては吐き気を伴うとも言われています。
子宮内膜症は卵管を詰まらせたり、チョコレート嚢腫の原因になったりと、不妊の要因の一つになります。
あまりに酷い生理痛の場合は、子宮内膜症の可能性もある為、自己流で解決しようとはせずに一度きちんと婦人科を受診することをお勧めします。
特に妊娠を望んでいる方で、生理痛が酷い場合は今、検査をしてもらう事が何かの転機になる可能性もあります。この記事が、少しでも自分の体に向かい合うきっかけになりますように!