ネイリストという仕事はライフステージが変わったとしても、スキルがあり、やり方をうまく考えればずっと続けていけることが魅力のひとつ。最近はママになってからの自宅サロン起業も多く見られるようになりました。
福利厚生が充実している会社も最近では増えてきていますが、ネイルサロンとしての環境がそろっている場所はどうしても首都圏や主要都市に偏りがちな面も。
結婚して、今までまったく馴染みのない場所にいくこともあるでしょうし、子供ができてからはより自由字なる時間はなくなります。
そんな中、ママになってから自宅サロンを開き起業する人も多くなってきていますが、実情はどうなのかを少し掘り下げてみます。
自宅でサロンをするには
最低限の準備があれば、開業自体はできますが、子供を持つと、何よりもまず大事なのはタイミング。子供を最初から預けて働く選択をするのか、空いている時間をうまく使うのか。この選択肢次第で自宅サロンを立ち上げる時期や、やり方も変わってきます。
たとえば、出産後比較的早いタイミングで保育園に預けられた場合、夕方まで働くことができますが、預けるための金額込みでの目標売り上げや、どうやってネットワークを広げるかなどの最初のPR面では試行錯誤することも。
一方で、保育園ではなく幼稚園を選択する方は、子供の年齢が3歳~となり、自由になる時間が9時~14時くらいが一般的になります。ブランクに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ママ友のネットワークが早く築けるのは幼稚園ママのいいところ。
そして、これはママになってから働く上ではどの方でも共通ですが、サロンワークではコアタイムだった夕方からは稼動できない場合が多いので、朝から来てくださる、違う客層を囲っていかなければいけません。このあたりの戦略や、集客の見込みなどもある程度固まった段階で起業するのは大事なポイントです。
基本的な心構え
やはり、お客様に技術込みで心地良い空間を提供することが一番大事です。自宅であることは、特にそのネイリストを信頼してご来店してくれるので 、安心して任せられる空間であること、もちろん信頼関係も含めて大切だと思います。
そのために必要なことは、基本的にはサロンとも共通することでしょう。季節に合わせたサンプルやカラーサンプルを用意したりという下準備はもちろん、仕上がりやネイルの持ちなど満足度を高められるスキルはやはり必須。
また、自宅サロンとなると、より密室感も生まれますから、雰囲気作りも大事な仕事ですね。接客面でも、自分なりの「おもてなし方法」が他サロンとの差別化にもつながる面もあるでしょうし、お客様に応じた決め細やかな対応も求められる部分です。
お客様との会話で 注意することやコツ
午前中から昼の時間帯がコアタイムとなるママサロンでは、客層も、同じく子育て中のママであったり、年配の方なども多くなります。そうなると、サロンワークの接客とはまた違った会話の引き出しも持っておく必要も出てくるもの。
もちろん、今までどんなネイルをされていたか、なにか困ったことはなかったか、など、お客様ごとの傾向はつかんでおくのは最低限の接客対応。
一方で、たとえばママ友からの紹介などのお客様などをふくめ、比較的実際自分が住んでいるエリア近郊の方たちと関わることも多いので、話題性の中に、地域情報を入れておくとスムーズな場合もあれば、少し年配のお客様などを相手にするときの時事ネタ、そこには少し話題のワイドショーなどもあるでしょうし、育児の経験談をお聞きすることなども相手の心をほぐす場合も。
もちろん、お客様の雰囲気がありますし、ムリに話そうとする必要はありませんが、自然の流れに任せるにせよ、接客スキルとして、どこまで自分で幅を広げて対応できるかは、自宅サロンを成功させるためのひとつのポイントかもしれません。
自宅サロンのメリット&デメリット
自宅サロンのメリットとしては、やはり自分の思うとおりに、時間や働き方を調整できること。ママであれば特に、自分の時間の自由が利く部分を重視したからこそ、自宅サロンをやりたい!と決断されている方も多いはず。
確かに、自分の頑張り次第で売り上げが決まりますし、 自分の空間ですごせることは、家事などの両立を考えると魅力的です。ただ、メリットの裏にはデメリットもあるもの。
たとえば、いつも人がいる状態なので、生活感が見えないように気を使わなければならない点、また、オンとオフの切り替えが難しいのも最初にぶつかる壁といいます。また、両立できると思っていても仕事中はもちろん家事はできませんから、自分の頭で計画していたように行ったかいうと、現実問題として特に最初は難しかったという声もよく聞きます。
そこで出てくるのが、やはり家族の理解が得られるかどうか。独身ではありませんし、相手がいて、さらに子供もいる場合、本当は家族を優先したくてはじめたサロンが、結果的に喧嘩の原因にならないとも限らず。ジレンマに陥る方も多いです。
いかがでしょうか?主婦として母として、多くの顔を持つことは、女性として幸せなことでもある一方、自分自身としての在り方や、家族との関係性などは思ったとおりにいかないこともあるかもしれません。
ただ、ママになったからこそできる自分なりのネイリスト像は必ずあるはず。今は、子育てを終えてからネイリストに調整されている方も多い時代。自分なりのスタイルを確立できたらいいですね。