連続企画としてお届けしております、クラスタイルネイルカレッジさん講師陣インタビュー。
後編となる今回はネイルスクール運営者としてご活躍されている寺島さんにお話をお伺いします。(※前編:吉田さんインタビューはこちらから)
17年間ネイル業界一筋という寺島さん。ご自身が通ってきた道をいかに講師として伝えていけるか、そこに向かい合いながら改変したテキストやDVDは大変好評とのこと。寺島さんのバックグラウンドと共に、現在のスクール方針、今後の方向性も併せてお話をお聞きしてきました。
寺島さんはネイル業界に携わって、17年ということですが、まずは、ネイリストを目指したきっかけを教えてください
高校卒業後の進路に迷っていた頃、漠然と、昔から好きだった、細かい作業や、絵を書くことができる美術系のことに携わりたいなと考えていたんです。
そんな時、当時出始めたばかりのネイル雑誌を見た母からのすすめもあり、私自身もアートを見て興味もわいたので、高校卒業1ヶ月前からネイルスクールに通い始めました。
ネイルを習うと決めてからは、「仕事としてやろう」と決意していたので、その時からずっとネイル一筋です。17年の間には挫折も経験しましたし、辞めたいと思ったこともありますが、結果的にネイルが大好きなので今もやり続けています。
寺島さんが講師として働き始めたのは、ネイリストになってから、3年目ということで、早い段階で教育の方へ回られているなという印象を受けました。
そうですね。ネイルサロンで働き始めたのが19歳だったんですが、2年ほどした頃からすでに教えることに興味があったんです
ネイリスト3~4年目くらいからは、まだ講師としては未経験にも関わらず、「講師募集」の求人に履歴書を送ったこともありました。怖いもの知らずでしたよね。
でも、やはり年齢的な厳しさ、また経験ももちろん足りず、「2、3年後にまた応募してください」と断られていました。でも、この体験を通して、教育の方へ回るためには、もう少し経験を積まないといけないという現実も目の当たりにしたんです。
そこで、サロンで働きながら、もう一度スクールに通い、足りない点を再度学びはじめました。
ただ、この講師への移行期間中、順調だったというわけではなく、実は挫折も味わったとお聞きしました。あきらめずに講師の道へつなげられたのは何と問屋さんでのお仕事だったとか?
そうなんです。ネイリストとしてサロンで働くようになってから、少し働きすぎてしまったというか、頑張りすぎてしまって、挫折してしまった時期があったんです。
でもネイルから離れたかったという訳ではなく、ネイルには携わっていたいと思っていた中で思いついたのが、ネイルの問屋さんで働くことだったんですよね。
これが思いの他楽しくて。私がいたのは、通販センターというところで、梱包や発送、販売している商品自体の発注や在庫管理などがメインでした。問屋さんは、多くのメーカーを扱っているので、新商品を試したり検証することもできて成分などの知識も学ぶことができたので、かなり貴重な経験でしたし、すごく勉強になりました。
気分転換にもなりましたし、ネイルに携わる仕事が自分には合っていてやっぱり好きだなと再確認する機会になりました。
結果的にネイルからは離れず、向かい合い続けたことが、偶然にも講師への道へとつながったんですね。
お世話になっていたスクールの恩師の方がちょうど独立してスクールをやる事になり、手伝って欲しいと声をかけてくださったんです。私としてはものすごくいい機会だなと思いましたし、自分が憧れていた先生ということもあって、すぐに手伝わせてもらいながら念願だった講師業もスタートしました。
実は講師といっても、声をかけて頂いた先生と1から立ちあげていく事業でもあったんです。見学や説明、体験イベントまですべてやらせていただき、授業だけでなくスクール全体をマネージメントする立場を最初から体験できたことは、本当に大変でしたが、自分のためになったと思っています。
立ち上げ3年目あたりで他の先生方も増え、さらに楽しくなりましたね。恩師の先生はアートが得意でコンテストや大会に出場して受賞歴もあるような方でした。
私はよくその先生のハンドモデルをしていたのですが、海外のコンテストにも出場するような方だったので、私も刺激を受けて一緒にコンテストに出るようになり、その頃から少しずつ賞が取れるようになっていきました。
コンテストの受賞歴を拝見し、とても驚きました!今クラスタイルで講師として働く中でもアートの技術は役立っていますか?
ネイルをやっていて思うのは、基本的なことは全てできなくてはいけないとは思いますが、全てが長けているというのは難しいなと思うんですよね。
基本の技術はもちろん人に教えてあげられるレベルっていうのは保っていなくてはなりませんが、これはちょっとみんなより得意だよとか、自分がちょっと自信を持っていられるものっていうのを作りたいなと、私の場合はそれがアートだったんです。
講師としては、アートというよりもネイリストとしての技術を全て教えてます。ただ、アートは、コンテストに興味があったり、出たいという方であったり、そういう場合には少し詳しくみていたり、教えてあげたりというのはありましたね。
スクール立ち上げから5年後、クラスタイルへ入社されてますが転職された理由は?
きっかけは、ネイリストとしての次のステップを考えたからなんです。
私は何かを始める時常に目標を持つようにしていて、「講師として一人前になる」であったり、コンテストでは必ず賞を取るであったり、その都度目標を作りながらやっていたのですが、ちょうどこの頃は、先ほどもお話したように、講師をしながらコンテストに出場するようになり、賞なども取れるようになってきた時期だったんです。
一通り目標が達成できたあとで、次は何を目指そうかなと考えた時に、今まで得たものを新しい場所で活かしたり、まだやっていないことに挑戦してみるのもいいんじゃないかなと思ったんですよね。
30歳までにできる限り色々なことをやってみたくて、思いっきり仕事に生きよう!と決めていたんです。それで、まだネイル業界で携わっていないことって何かなと、最終的にたどり着いたのが、通信教育だったんですよね。
ネイルを学ぶのに通信教育ってどんな仕組みなのかなと。通信教育に興味を持ったのは、自分自身が教育に携わっていたということもあったのですが、対面で教えるのではなく、教材をみながら自分で学ぶなんてことが可能なのかな?とすごく興味が湧いたんです。
ただ、当時は通信講座を行うスクールが少なく、講師の募集もされてはいなかったため、直接スクールに連絡をとって、面接をしていただけたのがここのクラスタイルだったんです。
こちらに入社当時は、講師というよりは運営側での仕事にさらに携わりたいという希望があったんですね。
そうですね。この頃は、通信講座の講師に興味があるというより、「通信講座でどこまでできるのか」という大きなくくりで、携わりたいと思っていました。
入社後は、本当に今まで経験したことがない世界を見ることができたといいますか、以前は対面できている生徒さんに教えていたのが、通信講座になると電話やメールでの指導が基本になります。
実際に働いてみると、通信講座の添削はもちろんのこと、教材DVDを全て取り直し新しいものへと改変する作業など、これまでのネイリスト経験を活かせる場が多々あり、私自身も新しいことを体験することで望んでいたステップアップにも繋がりました。
ここのスクールは、私の提案や企画などを受け入れてくれやすい環境でもありましたし、いいと思ったら試してみようということで、私としてはとてもやりがいを感じることができたんです。
現在こちらで使用されている教材は、寺島さんのこれまでの経験が生かされたものになっているんでしょうか?
そうですね、ネイリストとして働いてきた経験はもちろん、教材などは問屋さんで働いていた経験も活きているのかもしれません。ネイル業界に昔から携わっている方々との繋がりもできましたし、当時からお世話になっている方もたくさんいらっしゃいます。
現在はスクールの運営責任者ということでご紹介いただきましたが、具体的にはどのような仕事をされていらっしゃるのでしょうか?
主な業務は、教材の選定や、カリキュラム、年間スケジュールの決定などです。運営側の比率が多いですが、長く通ってくださっているお客様への施術や、昔から付き合いがあるネイル雑誌が、依頼してくれるネイルデザインの企画や撮影などネイリストとして接客も行うこともあります。
他には、来校者のイベントや説明会などで、実際に学校へ見学に来てくださった方と面談させていただいて、入学前に不安に思っていることなど、お話をお聞きすることもあります。
入学前の生徒さんが抱えている悩みとはどのようなものがあるのですか?
入学前の方ですと、不器用だったり、絵が得意ではないけど、ネイリストになれるのかといった内容も。もっと具体的な悩みの例をあげると、検定試験を受ける際のモデルさんが見つからない、というようなことで相談を受けることがあります。
特に、モデルさんが見つからないために検定を受けるか悩まれている方は結構いらっしゃるんですよね。不器用であっても、ネイルの技術自体は、自分が勉強することで改善できますが、モデルさんとなると、検定までに爪を綺麗に保っておかないといけないということもあって、長く協力してもらえる方を探すのは確かに大変なことです。
実は、モデルさんの爪の長さや状態を保つためには定期的なメンテナスが必要であるため、しっかり関係性を保てる相手が望ましいんです。途中でモデルを降りられてしまったとしても、学校側で責任を負ってあげられません。
そこで、モデルさんが見つからない場合、例えば男性をモデルさんとしていた方もいますし、入学後仲良くなった生徒さんで受験する検定級が異なれば日付が変わるので、そういった方にお願いするということも可能ですよ、というお話をさせて頂きます。本当にさまざまな質問もありますが、都度きちんと対応する準備を整えていますよ。
ネイル業界で働く中で様々な生徒さんをみてきている寺島さんですが、最近の生徒さんの目指すネイリスト像は変わって来ているなと思うことはありますか?
そうですね。昔はスクールを卒業したらサロンで働いてという流れが多かったのですが、今は自宅でサロンを開き、独立を目指している。という方も多くなっている印象です。
ネイルが流行り始めた頃は、アクリルが主流で匂いもきついため、自宅サロンでは家事と両立できない部分が壁としてありましたが、ジェルが主流になってからは以前よりは簡単にネイルを施術できるということも開業を目指す方が増えている理由かもしれません。
ここのスクールに通う生徒さんでも、20代から40代後半と年齢層は幅広いですが、家庭を持ちながら両立させている方がたくさんいますよ。
サロン就職を目指す方は面接で検定が必要だと聞きますが、開業の方でも検定はとっておくべきですか?
そうですね。まず、ネイリストになるための国家資格はありません。美容師さんのような国家資格がない分、ネイル知識のない方からするとネイリストの評価軸が不明確なんですよね。だからこそネイリストの検定試験があって、こういう資格を持っていますよときちんと言えるというのは、自宅サロンにいってもそれがあるかないかというのも一つの基準になるのかなと思います。
正直、検定試験の内容をサロンワークで使うのかは別としても、検定に合格しているということは、ある程度の決まった時間内で、一定の基準に達するクオリティーの技術力があるという証明にはなるので、お客様の安心と、自分の自信にも繋がるかなと。そういった意味でも検定は取っておくべきだなと思いますね。
現在クラスタイルの運営責任者として様々な活動をされていらっしゃいますが、今後の新しい取り組みとして考えていることはあるのでしょうか?
カリキュラムの変更などは容易にはできないのですが、それ以外では、例えば無料で受けられる最新アートを学ぶ講習会などを企画しています。
ネイルアートはその時の流行りがあるので、講義にも取り入れやすいですし、検定級の勉強をしている生徒さんにとっても、気分転換として受けてもらうことも多いんです。どうしても検定級の勉強は基本的な内容を学ぶことが増えるため、息が詰まってしまうこともありますから。
運営側としては、できるだけ生徒さんが楽しくネイルを学べるかを考えています。スクール内でアートコンテストを企画することもあるのですが、そういった場は授業とは異なる刺激もあって、とても楽しんでもらえていますね。
ネイル業界に長く携わって来た寺島さんですが、今後はどのような形でネイル業界へ携わっていきたいと考えていますか?
今のネイル業界はジェルネイルが開発されて以降、少しマンネリ化してしまっているなと感じる部分があるんです。
画期的に新しい技術や知識のようなものが入ってきているのかというとそういうわけではないですし、季節ごとにネイルアートの流行はありますが、結局同じテーマになりがちなんです。
私が今思っているのは、業界的にここをもうちょっと盛り上げていけたらなということです。そう思って海外に注目してみると、日本に比べて自由度が高いというか、ネイルアートもかなり個性的で、独自の世界観を持っているネイリストさんが多いなと感じるんですよね。
日本の技術レベルは高いので海外の方からも注目されています。香港や台湾の方がこちらにネイルを習いに来ていることもありますし、そういったつながりを更に広げて海外と日本のネイル業界をもっと近いものにできたらいいなと。特に通信教育は海外ではまだ浸透していないですからうまく取り入れて交流できる場を作っていきたいですね。
あとは、医療的な面などでのネイルの活用がもっと広がるといいなと思います。
爪って力が入る部分なので、スポーツ選手の方は補強をしていたりするんです。
可愛いだけのネイルではなくて、性別や年齢を問わず、爪に関する知識や技術がもっと
一般的に浸透していくといいですね。
今後ネイリストを目指す方へのメッセージ
ネイル業界に興味を持ってもらうきっかけはどんな形でもいいと思います。
技術によって得意不得意はあると思いますが、練習と努力次第で、基本結果は伴います。自分のペースで楽しみながらやれたらベスト!というのも、自分がネイルが好きで楽しいという気持ちがそもそもないと、お客様にも伝わってしまいますから。
ネイル業界は本当に可能性が広くて、自分がやりたいと思ったことが叶えられる世界なんです。私も実は目標の1つとして持っていた、「ネイル雑誌の表紙を担当して、芸能人の方のネイルをしたい」という夢を実現しました。でも、これは行動に移したからこそかなった夢。
例えば、私は「なんの実績もない人がいきなり雑誌に載りたいと言っても説得力がない」と考え、コンテストで実績を重ねてから雑誌に直接メールを送り、当時の企画をやらせてほしい、というアピールもしていました。そこで取材していただいたのをきっかけに、今でも呼んでいただけるようになったりしたのです。
将来的に大きな目標があったとしても、そこに行き着くまでにもそれぞれの場面で目標を立てることは必要で、それを達成することで先が見えてくる、いい例かなと思います。
自分で動いてみたら、意外とできたっていうこともある業界ですからね。今まで見たことのない世界も経験できますし。やりがいのある未来を自分でつくるなら、いろんなことを挑戦していくと、いきなりタイミングもあったりします。無駄なことはなかったかなと。
私も色々経験しましたが、結局関連があって次につながりましたし、ネイル業界は、広いようで狭い世界ではあるかなと。目標がないと、頑張り続けるのは難しいですから、次の目標を仕事しながらどう達成するかを考えていくかってことですね。自分でやりたいと思ったことは頑張り次第で、できる世界ではあるので、諦めずにやってみてほしいなと思います。
ネイリスト経験を生かし、スクールでの教育内容全体の改変に取り組まれてきた寺島さんのお話、いかがでしたか?
通信講座であっても、ネイリストを目指したいという方の志を受け止め、より伝えやすく、やれば必ず結果に結びつけるようなテキストやDVD教材を提供したいという想い。決してそこに妥協はありませんでした。
地方であっても、時間に制限があったとしても、やりたいと思った時に、やれる通信講座は魅力的ですよね。まずはやってみることの大切さを身をもって知っているからこそ、やる気と取り組み方次第で確実に結果が伴ってくる経験を得ているからこそ、ひとつひとつの言葉に説得力もあるインタビューとなりました。
インタビューにご協力いただいた吉田さん、寺島さんどうもありがとうございました。
スクール基本情報 | |
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スクール名 | クラスタイルネイルカレッジ |
TEL | 0120-200-878 |
住所 | 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-24-4 渋谷百瀬ビル4F |
校数 | 8校 |
おすすめコース |
●通学 【ネイリストデビュー短期集中コース】 受講費用:¥613,000(入学金込み、材料費別) 授業時間:25回/118時間・クラス制※学習期間6ヶ月 用途:ネイル初心者/基礎からしっかりと学びたい方/短期間でネイリストデビューしたい方 ●通信+スクーリング 用途:ネイル初心者/基礎からしっかりと学びたい方/ジェル検定上級取得も考えている方 |
サイトURL | http://www.clastyle.com |